TEXT & PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
河原町五条「喫茶ジャニー」

喫茶店の王道メニュー、ナポリタンとコーヒーゼリー
「喫茶ジャニー」は今年5月7日オープンしたばかりの新店ながら、店内は、昔からそこにあったような”純喫茶”感が漂っている。長く続いている店じゃないなら、喫茶店の居抜き物件に違いないと思うが、実は古民家を改装しているという。
京都には、古民家を改装した町家カフェは多いが、それとは違う純喫茶を目指したというオーナー・小山利行さん。ヴィンテージの花柄の壁紙を貼り、アンティークの家具を配し、ザ・昭和の喫茶店感漂う木製カウンターやスツールは特注したという。

新店ながらノスタルジーを感じる店内
オーナー・小山さんは「炭火焼鳥 チャブヤ」や「おでんと釜飯 ムロ」など、京都で飲食店を展開していて、こちらで6店舗となる。
「もともと串揚げとおでんの店で、おでんだしで作ったカレーに串揚げに使う豚ヒレカツをのせて出していてたんですが、それが好評で。最初はカレーの店を出そうかと思ったんですが、喫茶店もやってみたいと思っていたので、純喫茶を作りました」と、小山さん。
自慢のカツカレーは、昆布や混合節から取った出汁と牛すじ出汁を合わせたおでん出汁がベースに。小麦粉を使わず、玉ねぎやトマト、マッシュしたじゃがいもなど、野菜でとろみをつけているので、よくある欧風カレーのような重たさがなく、サラリと軽やか。上にのっているカツもカレーとの相性を考え、ロース肉をかなり薄めスライスしてあり、ペロリといける。

「ジャニー特製カツカレー」¥1,380、カツなしは¥880
カレー以外も、見た目は王道な喫茶店のフードながら、これまでの飲食店展開で培った経験から作られる料理人メイドな味に。
ナポリタンには、パスタではなく、系列の鉄板焼き店の焼きそばに使っている京都の製麺所の中華麺を使用。生麺を固茹でし、オリーブオイルで和えて、寝かしておくことで、もちもち感がアップし、注文を受けてから炒めると、外はカリカリ、中もっちり、極太パスタを使い、鉄板で出す古き良き喫茶店のナポリタンの食感をブラッシュアップしている。

トロトロの半熟目玉焼きは、つぶして食べるとソースのようにパスタに絡み合う。「ナポリタン」¥850、目玉焼きプラス¥150
チーズケーキや固めのプリンなど、スイーツもあり。「珈琲ゼリーとバニラアイス」は、店で出しているブレンドコーヒーを使い、ゼリー自体には甘さはつけず、深煎りの風味を楽しめるようになっている。しっかり苦いが、上にトッピングしたホイップクリームやバニラアイス、練乳と一緒にいただくと、ちょうどいいバランスに。甘ったるさがなく、大人好みの味わいだ。

「珈琲ゼリーとバニラアイス」¥650
ほかにも「特製カツサンド」や「フライドポテト+オムレツ+カレーソース」といった食事にもアテにもなるメニューやお酒もそろい、喫茶利用だけでなく、昼からお酒も楽しむこともでき、大人がゆっくりできる喫茶店になっている。

最近、新店が増えている五条エリア。四条河原町から徒歩10分、京都市営地下鉄五条駅から徒歩9分
「喫茶ジャニー」
住所:京都市下京区五条麩屋町上ル下鱗形町540-1
営業時間:11:30〜19:00(不定期で夜営業あり)
定休日:不定休
TEL. 080-9056-8163
公式インスタグラムはこちら

天野準子
生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント
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