RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA
トライフルとは、スポンジケーキやビスケット、クリームやフルーツ、ジャムなどを重ねたイギリスの家庭のお菓子。もともと余りもので作ったから、「トライフル=つまらないもの、ささいなもの」という名前になったとか。
長江さんはフランス菓子が専門だが、ジェノワーズのバリエーションとしてトライフルを紹介してくれた。「ケーキを作るときに余ったジェノワーズの切り落としを活用して、とてもおいしくて華やかなデザートができます。簡単ですし、おすすめです」。
見た目はパフェのようだが、パフェはクリーム系やアイスクリーム、フルーツが主体。一方、トライフルは、ジェノワーズやビスケットをフルーツジュースやシロップ、リキュールなどに浸し、余ったクレーム・シャンティーやカスタードクリーム、フルーツを重ねれば出来上がり。あればアイスクリームを加えても。食べるとさまざまな味が混ざり合い、重層的なテイストを楽しめる。
「今回は、いちごをはちみつとレモン汁でさっとマリネし、そのマリネ液を水でのばしたシロップをジェノワーズに染み込ませました。もちろん、糖度が高いいちごならそのままで、シロップは水の代わりに好みのリキュールでのばしても。ジェノワーズがなければ、市販のクッキーをシロップに浸してもいいですね。ルールはないので、お好みの量で、あるものを組み合わせてください。ただ、ジェノワーズやクッキーはシロップ類でしっとりさせたほうが、全体のバランスが整います」。
イギリスでは普段のデザートとしてよく作られているが、クリスマスのデザートとしても人気なのだそう。今年のクリスマスは、ぜひ手作りの「ビュッシュ・ド・ノエル」(Vol.21を参照)を。そして余った生地やクリームを華やかに変身させてトライフルを楽しんでみませんか。
■材料
ジェノワーズ(作り方はVol.4 ジェノワーズ編を参照)
クランブルやクッキー(市販品でも可)(クッキーの作り方はVo.14 サブレ・ディアマン編を参照)
フルーツ類(レモンや金柑などの柑橘類、ブルーベリー、イチゴ、キウイなど)
フリーズドライのフルーツ(市販品)
フルーツのフリーズドライパウダー(市販品)
メレンゲ類(写真は自家製。市販品のメレンゲやマシュマロでも可)
はちみつ
ジャム
生クリーム
グラニュー糖
【いちごのマリネとブルーベリーのトライフル】
■作り方
1 いちごのマリネを作る。いちごのヘタを取り、縦半分に切り、ボウルに入れる。はちみつとレモン汁、レモンの皮をすりおろして混ぜ合わせる。
2 はちみつ、レモン汁を合わせ、水少々でのばし、シロップを作る。ジェノワーズを好みの形に切り、器に入れ、シロップを回しかける。
3 いちごと半分に切ったブルーベリーをのせる。
4 グラニュー糖を加え、7分立てに泡立てた生クリームをスプーンでのせる。(生クリーム200mlにグラニュー糖10〜15gが目安)
5 いちごジャムをのせる。
6 2のいちごと半分に切ったブルーベリー、砕いたクッキーをたっぷりのせ、ヘタ付きのいちごを最後に飾る。
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