BY YUKIKO HIRANO

しっとりメークインを爽やかなサヴォワ地方のシャルドネで!
しっとりねっとりとした舌触りのメークイン。水分量が多く、長時間煮込んでも煮崩れせず、形を保ったまま味を染み込ませることができるのが魅力だ。もうひとつのじゃがいもの代表格、男爵芋の特徴はホクホクした食感だ。「どんな品種のじゃがいもを選ぶかで、定番料理も食感や風味が変わります。何が正解、というわけではありませんが、表情の違う料理になりますね。そこに料理の楽しみがあります。ポテトサラダも男爵で作ればほっくりした食感が残りますが、今回はメークインを使うことで滑らかなディップのような仕上がりに。グラタンはメークインを使うとクリーミーでソースとの一体感が高まります。ピュアで生き生きとしたフランスのサヴォワ地方のシャルドネを合わせました。癒されるような安心する組み合わせですね」(平野さん)
レシピ1:レモンとたらこのポテトサラダ
刻んで加えたレモンの皮で爽やかさ倍増! ひと味もふた味も違うタラモサラダをどうぞお試しあれ。

男爵芋のポテトサラダは、作っている時にじゃがいもがマヨネーズをぐんぐん吸い込むが、メークインで作ると適量でもクリーミーな仕上がりになる
<材料 2~3人分>
メークイン3個(450g)、たらこ100g、レモンの皮1/2個分、
A [マヨネーズ大さじ3、レモン汁大さじ1/2、塩、こしょう]
<作り方>
1 じゃがいもは皮をむき、2〜3等分にする。鍋にじゃがいもとかぶるくらいの水、水の1%の量の塩を加えて柔らかくゆでる。粉ふきにし、熱いうちにつぶす。
2 レモンの皮はたわしでよく洗い、皮をそき、白い部分を取り除き、みじん切りにする。
3 たらこは薄皮からこそげ、A、2と混ぜ合わせておく。
4 粗熱がとれたじゃがいもに3を加え混ぜる。

国産レモンの季節も始まった。ここでは青レモンを使用。皮の白い部分を削いで、細かく刻む

すりおろしの皮を加えるのとは、レモンの存在感が段違い。たらことレモンの組み合わせにフレッシュな白ワインで爽やかさ倍増!
レシピ2:タルティフレット
フランス、サヴォア地方の郷土料理のじゃがいもグラタン。とろりと溶けたチーズが絡まった熱々のメークインを冷たい白ワインで流し込もう!

たっぷりのチーズがグラタンのソースになる。作り方はいたってシンプル
<材料 2~3人分>
メークイン4個(600g)、ブロックベーコン100グラム、玉ねぎ大1個(250g)、にんにく1かけ、チーズ(ルブロッションまたはカマンベールチーズなど)200g、白ワイン大さじ2、牛乳1カップ、オイル(米油など)、塩、こしょう
<作り方>
1 じゃがいもは皮つきのままゆで、竹串がすっと通るくらいまでゆでる。皮をむき、1センチ厚さに切る。ベーコンは1センチ幅に切る。玉ねぎは薄切りにする。
2 フライパンにオイル少々を熱し、ベーコンを炒める。脂が出てきたら、にんにくのみじん切り、玉ねぎを入れて塩をふり、しんなりとするまで炒める。
3 1のじゃがいもを加えて炒め合わせ、白ワイン大さじ2を加え、アルコールが飛んだら、牛乳を加えて弱火で煮詰め、塩、こしょう、ナツメグで調味する。
4 耐熱容器に入れ、半分の厚さにスライスし、適当な大きさに切ったチーズを乗せ、180度のオーブンで30分焼く。

ルブロッションはナッツのような香ばしさのあるチーズ。ウォッシュタイプだが、クリーミーで匂いも穏やか。カマンベールなど手に入るチーズで代用しても

たっぷりのチーズがグラタンのソースとなる
【今月のお酒セレクト:ジャック ブシュヴロー スー ラ トゥール2024】

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO
フランス・サヴォワ地方のシャルドネ。アルプス山脈の麓、冷涼な山地で作られる爽やかでミネラル豊富な「山のワイン」。青りんごのようなフレッシュさで、ピュアでいきいきとした味わい。「郷土料理にその土地のワインを合わせるのは、当たり前過ぎるので普段はあまりしないのですが、今回は抗わずに(笑)。エチケットから連想する味そのままの伸びやかな白ワインです。やっぱりこういう定番の組み合わせはいいですね」(平野さん)
平野由希子さんがナチュラルワインの定期便を開始!

平野由希子さんが主宰する料理教室cusine et vin が、ナチュラルワインの定期便コースを開始。隔月にワイン5~6 本、もしくは3本のスパークリングワインが届くメンバーシップコースで構成。お届けするワインにはどんな料理が合うか、などの情報も一緒に送ってくれる。
「空前のナチュラルワインブームですが、自分で選べないという方も多くいます。不安定な部分もあるナチュラルワインはワインの状態、ボトルを空けるタイミングもとても大切です。私とスタッフが試飲をして心からおいしいと思ったワインだけをセレクトしてお届けします」と平野さん。
「週末ごはん会に合うワインを選んでほしい」「ナチュラルな野菜料理に合うワインが飲みたい」などのリクエストにもお応えできるオーダーメード感覚のコースを目指しているのだそう。
猫と旅した南仏での3週間を詰め込んだ、平野さんの新著が発売中
「カブルスピーヌ村は、南仏にある人口100人ほどの小さな村。カフェもなければスーパーもパン屋もない。何にもないけど、雄大な自然とたくさんの猫に出会える美しいところ。そんな村を愛猫クミンとともに訪問してみた」ーー
平野由希子さんが、愛猫のクミン君とともに訪れた南フランスでの3週間。築1000年の石造り古民家に滞在しながら、羊肉料理やカスレ、朝どれのさやいんげんサラダなど、新鮮な素材を使った絶品料理に舌鼓を打ち、地元の人々や近所の猫と触れ合い、自然豊かな田舎を満喫する、まるで夢のような時間を詰め込んだ一冊。ペットとともに飛行機旅をするための役に立つ情報も満載!

『南フランス 猫と旅する美しい村<私のとっておき>シリーズ50』
著者:平野 由希子
¥2,090
産業編集センター刊
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
公式サイトはこちら









