『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』(’89年)、『浮き雲』(’96年)、『過去のない男』(’02年)。作品ごとに話題をさらい、日本でも絶大な人気を誇る監督アキ・カウリスマキの6年ぶりの新作『希望のかなた』が届いた。難民三部作を打ち出した『ル・アーヴルの靴みがき』(’11年)ではフランスの港町にたどり着くアフリカの少年を描いたが、第2弾の今回、停泊中の船から這い出してきたのは、故郷シリアのアレッポからヘルシンキに逃れ着いたカーリド。そんな彼が、妻と別れ、仕事も辞めて心機一転を図るヴィクストロムや彼の従業員たちと出会いーー。


「難民が異国で受け入れられる秘訣は、楽しそうに装いながら決して笑いすぎないことだ」。収容施設でカーリドと知り合うイラク人難民のアドバイスが切ない。赤や青など特有の色を効かせ、友達ミュージシャンを総動員してオフビートなユーモアとメランコリーの中に「今、この世界のどこかで生きている人々の現実」を描く。そんな監督の姿が、カーリドに寡黙に手を差し伸べる仏頂面のヴィクストロムに重なる。



PHOTOGRAPHS: © SPUTNIK OY, 2017




希望のかなた


難民申請が却下され、収容所を抜け出すカーリド。警察やネオナチに襲われながらもヴィクストロムらに助けられ、生き別れになった妹を捜すが……。人気に乗じて寿司屋を開店したり、古い子守唄が登場したり、キッチュに炸裂する日本愛も愉快。12月2日(土)より、ユーロスペースほかロードショー。

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