女優オドレイ・トトゥは15年にわたって秘かに写真家として活動してきた。
その作品がアルルの国際写真フェスティバルで初めて公開された

BY HETTIE JUDAH, TRANSLATED BY G. KAZUO PEÑA(RENDEZVOUS)

 そして最後のシリーズは、トトゥが子どもの頃に興味を抱いていた野生動物の写真に、意外な形で立ち返ったものだ。みずからセルフ・ポートレートを撮影するために、トトゥは監視カメラ2台を自分に向けて設置した。赤外線センサーを用いたこのシステムは、彼女いわく「虎を撮影するために森に設置する自動撮影カメラのようなもの」で、動きを感知すると静止画を連続撮影する仕組みになっている。「究極の“制作の舞台裏を追ったドキュメンタリー”のようなものが作れるんじゃないかと思って」とトトゥは説明する。そうして撮影された何百枚にもおよぶ写真をつなぎ合わせると、映画が発明される前の時代の、静止画を並べたパラパラ動画のように見える。

画像2: 無題 AUDREY TAUTOU, COURTESY OF THE ARTIST

無題
AUDREY TAUTOU, COURTESY OF THE ARTIST
 

画像3: 無題 AUDREY TAUTOU, COURTESY OF THE ARTIST

無題
AUDREY TAUTOU, COURTESY OF THE ARTIST
 

 今回の展示を通して、トトゥは写真家としての自分の歩みを少しでも知ってもらいたいと考えている。それはこの15年間、女優としてのキャリアと並行して進化し続けてきた、これまで知られることのなかった彼女のもうひとつの側面だ。「私としては、これらの作品を通して自分自身を解放したいという思いがあった」とトトゥ。「今までずっと誰にも内緒でやってきて、身近な人にも見せたことがなかったから」。アルル国際写真フェスティバルという権威ある大舞台でどう捉えられるかに関しては、あまり気にしていないようだ。「何かを観客に提示するということにはそれなりに慣れているし。いったん作品を発表すると、それはもう自分のものではなくなるのよね」

 

Audrey Tautou, Superfacial
アルル国際写真フェスティバルの一環として、
フランスのモンマジュール修道院にて9月24日まで公開中
www.rencontres-arles.com

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