その作品がアルルの国際写真フェスティバルで初めて公開された
BY HETTIE JUDAH, TRANSLATED BY G. KAZUO PEÑA(RENDEZVOUS)
2つめのシリーズは、本格的かつファンタジックなセルフ・ポートレート。これらの作品のために、トトゥは舞台装置や小道具、衣装を作り、照明をセットし、写真家とモデルの両方の役割をつとめ、カメラの種類やフィルムのフォーマットまで選定した。「撮影場所は、以前自分が住んでいたところだったり両親の家だったり。どれも私にとって身近な場所で、その場に合った撮り方をしている」と彼女は言う。「撮った写真は、リタッチやトリミングはしない。ごまかしは一切しないことにしているの」。撮影する際、自分が写っていないと構図を決めるのが難しいとわかったため、“自分とまったく同じ大きさのダミー”を作り、カットを決める最後の瞬間まで、そのダミーに代わりにポーズをとってもらっていたという。

無題
AUDREY TAUTOU, COURTESY OF THE ARTIST
「これらの写真に写っているのはもちろんすべて私自身だけれど、知らない誰かに見られるかも、と感じているときの自分だと思う」

無題
AUDREY TAUTOU, COURTESY OF THE ARTIST
「私は女優ではあるけれど、女優であるだけの人間じゃない」とトトゥ。「これまで何年にもわたって少しずつ少しずつ育ててきた私のこの一面は、自分が考えていた以上に心のバランスにとって重要なものだった。今、私が表現し、成長させたいと思うのは写真家としての私。だから、これは私にとっては趣味なんかじゃなく、心の奥底からの欲求だし、私という人間を完成させてくれる活動なの」

無題
AUDREY TAUTOU, COURTESY OF THE ARTIST