今回のリストは、近年、世界的に再評価を受けている日本の前衛作家、白髪一雄の個展。草間彌生の初期の作品と最新作を同時に取り上げるユニークな個展。そして、日本の近・現代アートを総観する東京都現代美術館の企画展

BY MASANOBU MATSUMOTO

『幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ ― 永遠の無限』|草間彌生美術館

“水玉”とともに、草間アートの中核的なモチーフである“網目”。草間彌生美術館で始まった本展では、その“網目”の絵画「無限の網」シリーズのなかでも、貴重な初期作品を鑑賞できる。

 始まりも終わりもなく、ただひたすらに網目が反復され、画面全体を埋め尽くすーーこの「無限の網」は、1957年に渡米した草間が、抽象表現主義が全盛だった当時のニューヨークのアートシーンに身を置きながら、独自に編み出したひとつのスタイルだ。59年、草間がこのシリーズを個展で発表すると、現地のジャーナリストもこぞって高く評価。前衛芸術家としての華々しいキャリアのスタートを飾ったランドマーク的な作品でもある。

画像: (写真左から) ニューヨークのスタジオにて。1961年頃 《Infinity Nets (2)》1958年 油彩、キャンバス 125.2×91 cm

(写真左から)
ニューヨークのスタジオにて。1961年頃
《Infinity Nets (2)》1958年 油彩、キャンバス 125.2×91 cm

画像: 《No. N2》1961年 油彩、キャンバス 125×178cm

《No. N2》1961年 油彩、キャンバス 125×178cm

 本展に並ぶのは、その「無限の網」の誕生期である58年から61年までに描かれた油絵や水彩画。また、当時の制作風景や展覧会の様子を記録した写真、草間を讃える雑誌や新聞の切り抜き、さらに61年の個展で展示予定だった約10mの「無限の網」の“切れ端”(大きすぎてギャラリーに搬入できず、急遽小さな画面に仕立て直したものの断片)も飾られる。

 一方、別フロアでは、2009年以降、草間が精力的に制作している最新の絵画シリーズ「わが永遠の魂」も展示。作家にとって最大規模のシリーズであり、大胆な色彩やタッチで有形無形の森羅万象を描いたものだ。加えて、新作のインスタレーション作品や、日本では初展示となるステンレス製のかぼちゃ作品《PUMPKIN》もお披露目になる。草間絵画の原点とともに、こうしたバリエーション豊かな作品を通じて、無限に広がる彼女の創造世界を改めて実感できるだろう。

画像: (写真左から) 《幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ》 2017年 アクリル、キャンバス 194×194cm 《PUMPKIN》 2015年 ウレタン塗装、ステンレススチール 173.7×直径182.2cm PHOTOGRAPHS: © YAYOI KUSAMA

(写真左から)
《幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ》 2017年 アクリル、キャンバス 194×194cm
《PUMPKIN》 2015年 ウレタン塗装、ステンレススチール 173.7×直径182.2cm
PHOTOGRAPHS: © YAYOI KUSAMA

『幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ ― 永遠の無限』
会期:〜8月31日(日)
会場:草間彌生美術館
住所:東京都新宿区弁天町107
開館時間:
1)11:00〜12:30、2)12:00〜13:30、3)13:00〜14:30、4)14:00〜15:30、5)15:00〜16:30、6)16:00〜17:30
※ 日時指定の予約・定員制(各回90分、定員70名)
休館日:月〜水曜 ※ 祝日は開館
料金:一般 ¥1,000、高校・中学・小学生 ¥600
※ チケットは公式サイトにて発売。当日券はなし
電話:03(5273)1778
公式サイト

 

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