アラスカの氷河をモチーフにしたダグ・エイケンの映像インスタレーションから、横尾忠則が描いた亡き愛猫タマの肖像。クレア・タブレがロックダウン中に制作したセルフポートレイト。開催中の3つのアート展の見どころを紹介する

BY MASANOBU MATSUMOTO

ダグ・エイケン『New Ocean: thaw』|エスパス ルイ・ヴィトン東京

 ダグ・エイケンは、とりわけ90年代後半から2000年代にかけて、当時現代アートシーンで流行したビデオインスタレーションのスタイルで、国際的な評価を高めたアーティスト。複数のスクリーンを鑑賞者を覆うように配置したり、スクリーンをオブジェのように立体化し、そこにビデオを投影してみせたり、映像を目で見るというよりは、映像を空間的に身体的に体感させる作品を生み出してきた。

 東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で展示されている《New Ocean: thaw》は、エイケンが2001年に制作した映像インスタレーションで、彼の初期のキャリアにおける代表作のひとつだ。モチーフは、アラスカの氷河。太陽の光により氷河が溶け、水となって海へ流れていく、いわば海が新しく生まれていく瞬間の物語をマルチチャンネルの映像で表現した。

画像: 《New Ocean: thaw》 2001年 展示風景、エスパス ルイ・ヴィトン東京 3チャンネルビデオ(カラー、音声)、6面投影、スクリーンによる映像インスタレーション、4分10秒 COURTESY OF THE ARTIST AND THE FONDATION LOUIS VUITTON, PHOTO CREDITS: © KEIZO KIOKU/LOUIS VUITTON

《New Ocean: thaw》 2001年
展示風景、エスパス ルイ・ヴィトン東京
3チャンネルビデオ(カラー、音声)、6面投影、スクリーンによる映像インスタレーション、4分10秒
COURTESY OF THE ARTIST AND THE FONDATION LOUIS VUITTON, PHOTO CREDITS: © KEIZO KIOKU/LOUIS VUITTON

 上空から見たグラフィカルな氷河やリズムよく地面に落ちていく水の雫。ときには巨視的にときには微視的に撮られた映像が、パノラマ状になったスクリーンでダイナミックに展開される。エイケンが現地で収録した音源にアレンジを加えたアンビエントな音楽も心地よい。

 約20年前に作られたものながら、古臭さを感じさせないのもこの作品の魅力だ。むしろ、氷河融解や温暖化、異常気象が深刻な問題として広く取り上げられている今、この作品は20年前よりももっとシリアスで大切なメッセージを孕んでいるようにも見える。

画像: 《ice forms VII》 2008年 《New Ocean:thaw》、2001年の制作用スチル © DOUG AITKEN, COURTESY OF THE ARTIST

《ice forms VII》 2008年
《New Ocean:thaw》、2001年の制作用スチル 
© DOUG AITKEN, COURTESY OF THE ARTIST

『New Ocean: thaw』
会期:〜2021年2月7日(日)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F
休館日:ルイ・ヴィトン 表参道店に準ずる
開館時間:12:00〜20:00
入場料:無料
電話: 0120-00-1854(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)
公式サイト

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