7月15日から8月16日まで開催される、エルメス財団のスキル・アカデミー 「金属に学ぶ、五感で考える:夏のオープンクラス」。展覧会やワークショップ、トークを通して、身近な素材である「金属」の多彩な表情と、ものづくりの奥深さを五感で体験できる

BY T JAPAN

画像: スペインを拠点に活動するレオノール・セラーノ・リヴァスによる、植物と金属が共生するような作品 Leonor Serrano Rivas, Installation view of Here Be Dragons, 2025 Courtesy of the artist and carlier | gebauer Photo: Andrea Rossetti

スペインを拠点に活動するレオノール・セラーノ・リヴァスによる、植物と金属が共生するような作品
Leonor Serrano Rivas, Installation view of Here Be Dragons, 2025 Courtesy of the artist and carlier | gebauer Photo: Andrea Rossetti

 エルメス財団が展開するプログラム「スキル・アカデミー」は、職人の技術や手仕事を未来へつなぎ、その価値を広く共有することを目的とした取り組みだ。2014年にパリで始まり、日本では2021年から活動を展開。これまで「木」「土」をテーマに探究を重ねてきたが、2025〜2026年は「金属(メタル)」に焦点を当てている。

画像: レオノール・セラーノ・リヴァスのインスタレーション Leonor Serrano Rivas, Installation view of Here Be Dragons, 2025 Courtesy of the artist and carlier | gebauer Photo: Andrea Rossetti

レオノール・セラーノ・リヴァスのインスタレーション
Leonor Serrano Rivas, Installation view of Here Be Dragons, 2025 Courtesy of the artist and carlier | gebauer Photo: Andrea Rossetti

 私たちの身の回りには、はさみや工具、時計、建築物など、金属でできたものが数多く存在する。しかし、生活に欠かせない素材でありながら、その成り立ちや特性について意識する機会は意外に少ない。そこで開催されるのが、「金属に学ぶ、五感で考える:夏のオープンクラス」だ。

 本企画は、中高生を対象に実施された「春のワークショップ」の報告展示を起点に、金属という素材をさまざまな角度から見つめ直す学びの場として構成されている。中心となるのは、3組のアーティストによるグループ展「結合」。展示だけでなく、ワークショップやトークイベントなどの体験プログラムも組み合わせることで、見るだけでは終わらない、身体を通して考える機会を提供する。

画像: ロンドンのアート・デザインユニットPlayfoolによるカメ型ロボット Playfool, Installation view of a re(imitation) of Life, 2024 Courtesy of the artist Photo: Naoya Toita

ロンドンのアート・デザインユニットPlayfoolによるカメ型ロボット
Playfool, Installation view of a re(imitation) of Life, 2024 Courtesy of the artist Photo: Naoya Toita

 参加アーティストは、スペインを拠点に活動するレオノール・セラーノ・リヴァス、ロンドンのアート・デザインユニットPlayfool、そして花火師・アーティストの島田清夏。それぞれ異なるアプローチから金属に向き合い、植物と金属が共生するような作品、自律的に動くカメ型ロボット、花火の物質性に着目したインスタレーションなどを発表する。

画像: 花火師・アーティストの島田清夏によるインスタレーション Sayaka Shimada, Fireworks for another world that never came, 2022 © Sayaka Shimada

花火師・アーティストの島田清夏によるインスタレーション
Sayaka Shimada, Fireworks for another world that never came, 2022 © Sayaka Shimada

 展示を通じて浮かび上がるのは、金属が単なる工業素材ではなく、自然や生命、テクノロジー、さらには人間の感覚とも深く関わる存在であるということだ。金属と植物、人工と自然、生物と非生物――一見相反する要素を結びつける作品群は、素材に対する固定観念を揺さぶり、新たな視点をもたらしてくれるだろう。

 また、建築現場で使われる足場の構造を学ぶワークショップや、会期中には、金属からジュエリーが生まれる工程を体験するプログラムも開催。さらにガイドツアーやアーティスト・トークなども予定されており、専門知識がなくても気軽に参加できる。

 エルメス財団が掲げる「スキル・アカデミー」の魅力は、手仕事や素材を単なる知識として学ぶのではなく、実際に見て、触れて、考える機会を生み出していることにある。金属という身近でありながら奥深い素材をきっかけに、世界の見え方を少し変えてくれるような夏の学びの場となりそうだ。

画像: Leonor Serrano Rivas, Where We Expect to Find Flowers n3, 2025 Courtesy of the artist and carlier | gebauer Photo: Roberto Ruiz

Leonor Serrano Rivas, Where We Expect to Find Flowers n3, 2025
Courtesy of the artist and carlier | gebauer Photo: Roberto Ruiz

スキル・アカデミー「金属に学ぶ、五感で考える:夏のオープンクラス」
会期:2026年7月15日(水)〜8月16日(日)
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月曜・火曜(7月20日、8月11日は開館)
会場:SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE/東京都葛飾区西亀有3-26-4)
入場無料

ワークショップ
素材がジュエリーになるまで
① 2026年7月25日(土)13:00~ 16:00
② 2026年7月26日(日)13:00~ 16:00
ワークショップの申し込みはこちら

<主な関連イベント>
アーティスト・トーク(レオノール・セラーノ・リヴァス):7月18日(土)14:00〜15:10<予約必要>
アーティスト・トーク(Playfool):7月19日(日)14:00〜15:10<予約必要>
金属で遊ぶ体験イベント:8月2日(日)、8月9日(日)<申込不要>
展示ガイドツアー:毎週金・土・日曜 16:30〜17:00<申込不要>

公式サイトはこちら

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