BY GAKU FUJIMURA, PHOTOGRAPHS BY MICHINORI AOKI
興味深いことに、プレステージブランドに先駆けてメンズメイクを陰で牽引してきたのがバラエティショップ向けの製品だ。KISSME P.N.Y.が展開する「ルオモ」は、2013年に「ルオモ マットキープBBクリーム」を発売。一部の美容意識の高い男性から支持されて、販売開始約2カ月で約5,000個も出荷した。職業的にメイクを必要とするホストやエンターテインメントとしてメイクを施すドラァグなどではなく、いわゆる一般の男性がこうした製品を使って対人関係での心証をよくするためにニキビやくすみをカバーし、眉毛を整えて日常にメイクを取り入れてきた。同社の開発者は「ターゲットの20代とともに、30~40代も購入。ECでも販売しているため全国にファンがいる」と語る。これはジェンダー論に振り回されず、旧態依然とした無理解な人たちの批判を避けるため、メイクを施していることをあえて声高に主張しない賢いサイレントマイノリティが形成されていることを意味するとボクは考えている。
意識改革は男性が自らの肌を分析することにも表れてきた。第一三共ヘルスケアのアンケートでは51%が自分を敏感肌と認識。そんな彼らの声を反映して登場した「ミノン メン」は、なんと男性のための敏感肌ライン。脱脂やスースー感などステレオタイプなイメージにとらわれた男性用スキンケアにおいて非常に画期的な製品だ。

バラエティショップでヒット中のロングセラー
(左から)
汗や皮脂による崩れにも強く、しっかり毛穴や青ヒゲをカバーできるロングセラー。
ルオモ マットキープBBクリーム<25g>¥1,600
1.6mmの細芯で毛の1本1本まで描き足せる新製品。ダークブラウンとアッシュグレーの2色展開。
ルオモ アイブロウペンシル<0.08g>¥1,200
KISSME P.N.Y.
TEL. 03(3262)3123

敏感肌の男性必見! やさしくうるおす化粧水
うるおい補給型アミノ酸とうるおいバランス型アミノ酸の2種類が乾燥とベタつきという男性の肌生理に対応。男性の敏感肌用化粧水。
ミノン メン 薬用フェイスローション(医薬部外品)<150ml>>¥1,800(編集部調べ)
第一三共ヘルスケア
フリーダイヤル: 0120-337-336
かつてデヴィッド・ボウイが施したメイクとは意味が違う。今の現象は、短所をカバーし長所を伸ばすという本来の目的をもったメイクだ。同級生や同僚、パートナーが、よりよい自己実現のためにメイクをしてもいいではないか。無論、ボクは男性のすべてがメイクをすべきと言っているのではない。メイクしたいと思った人が理不尽に攻撃されない、そんな社会を望んでいるだけだ。法に反しない限りどんな方法で自己主張をしても非難されることがない社会。それが本来のダイバーシティなのだから。