BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
2007年にアメリカで発売されて以来、40以上の国と地域で累計750万本以上を売り上げ、数多くのコスメアワードを獲得しているまつ毛用美容液「リバイタラッシュ」。この製品が生まれる原動力となったのは、開発者であるマイケル・ブリンケンホッフ博士の妻への愛だった。
「12~13年前になりますが、妻が乳がんを患い、治療の影響でまつ毛が全部抜けてしまったのです。とてもショックを受け、落ち込んでしまった彼女のために、私は眼科医としての自分の知識と経験を生かし、彼女のまつ毛を甦らせようと思いました」
30年以上の豊富な臨床経験があるとは言え、彼にとって化粧品の開発は初めての経験。彼女を喜ばせたい一心で研究を進め、ほどなく最初の処方が完成した。そこには絶対に譲れない条件があった。「効果はもちろん大切ですが、病後の妻が使うのですから、万が一にも害があるものであってはならない。何よりも安全性を重視しました」
その手づくりのまつ毛用美容液によって、ゲイルさんのまつ毛は再び美しさを取り戻した。するとそれを見た人々から“私も使いたい”という声が相次ぎ、2人は製品化を決意する。「彼女は地域の乳がん患者を応援する活動を通じて、自分の経験を他の人の役に立てたいと考えていました。パッケージのデザインなども一緒に考え、とても楽しかったですね。リバイタラッシュという名前をつけたのも妻です。この名前には、彼女自身がこの製品によって精神的に甦ったという意味が込められているのです」
その後、まつげを健やかに育み、ツヤとコシを与える美容液として世界的な成功を収めたリバイタラッシュ。2015年の日本上陸に際しては、特別な処方が採用されたという。「特に目もとに使用するものに関しては、日本の薬機法はとても厳しい。しかし私は目に関するエキスパートですから、対応は十分に可能です。まつ毛への効果は変わらず、敏感な目もとの皮膚にも使えるように成分を厳選しました」とブリケンホッフ博士。この“眼科医が開発している”という点も、リバイタラッシュとほかのまつ毛用美容液との大きな違いだと語る。
「リバイタラッシュの開発を通じて、私が妻から学んだことがふたつあります。ひとつは“まつ毛は女性の美しさにとって非常に重要である”ということ。そしてもうひとつは“見た目と気持ちにはとても密接な関わりがある”ということです。まつ毛が生えたことによって、彼女は再び自分を美しいと思うことができた。そして、そう感じたことが自信となり、病気の回復にもつながりました。まつ毛が甦ったことは、妻にはとても大きな意味があったのです」
そしてリバイタラッシュは今や世界中で愛用され、多くのまつ毛に悩む女性たちにパワーを与えている。「私はリバイタラッシュをひとりの特別な女性のためにつくりました。しかし今、リバイタラッシュは多くの人を幸せにしています。私の妻への思いから始まったことが、いろいろな人の幸せにつながっていることを、本当にうれしく思っています」
「見た目と気持ちはつながっている」――。ふだん私たちも感じていることだけれど、博士の言葉は、妻ゲイルさんを見守り続けたからこその実感に満ちていた。毎日の生活の中でも、あるいは病気や災害などの大きな困難に立ち向かわなくてはならないときも、鏡を見て“きれい”と思える瞬間があれば、女性はきっと元気になれる。だからこそ、化粧品は人生をよりよくするためのツールになりえるし、私たち女性は化粧品が大好きなのだ。
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