テクノロジーの進化は私たちの生活を大きく変えたが、美容業界もまたしかり。かつて“近未来の夢”だったものを具現化したツールが続々登場。6名の開発者たちに話を聞いた前編をお届けする

BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY JOHN CHAN

 マシンに手を入れれば、その日の自分の肌にぴったりのスキンケア剤が抽出され手のひらに。ハンディなデバイスで極細の繊維を肌に吹きつければ人工皮膚が!? まるでSF小説のように聞こえるかもしれないが、これらはすでに実用化され、日常に使われている技術だ。テクノロジーの進化は、美容のルーティンにも変化をもたらし始めている。新時代を築くビューティツールはいかにして生まれたのか。開発者に話を聞いた。

 IoTの進化を体感できるのが資生堂の「オプチューン」だ。スマートフォンのアプリで自分の肌を撮影すれば、環境情報などと分析され、マシンが最適なスキンケア剤を抽出する。「今は情報があふれ、自分に本当に合う製品を選ぶのが難しい。一方、仕事や子育てで忙しく、スキンケアの優先度を下げざるを得ない人もいます。そういう人に“その日の肌に最適なケア”を提供したいという思いから、オプチューンはスタートしました」と開発に参加した近藤美鈴は言う。

画像: オプチューン¥10,000(月額利用料)※サービスの準備数に達したため、現在新規の申込みは一時停止中 資生堂 オプチューン専用ダイヤル フリーダイヤル:0120-68-4710 iPhoneのアプリで肌を撮影し、キメや水分、皮脂、毛穴などを計測。寝がえりなどのデータで睡眠状態を判断し、湿度や紫外線などのデータと照らし合わせて、最適なケア剤を抽出する。マシンには肌に合わせて5種類のカートリッジがセレクトされ、残り少なくなったら自動で次を発送。これらすべての費用を含む定額制なのも新しい

オプチューン¥10,000(月額利用料)※サービスの準備数に達したため、現在新規の申込みは一時停止中
資生堂 オプチューン専用ダイヤル
フリーダイヤル:0120-68-4710
iPhoneのアプリで肌を撮影し、キメや水分、皮脂、毛穴などを計測。寝がえりなどのデータで睡眠状態を判断し、湿度や紫外線などのデータと照らし合わせて、最適なケア剤を抽出する。マシンには肌に合わせて5種類のカートリッジがセレクトされ、残り少なくなったら自動で次を発送。これらすべての費用を含む定額制なのも新しい

“デジタルテクノロジーで化粧品の未来を変える人材を求める”社内公募に興味をもち、参加を決意し大阪から東京本社へ。資生堂の各研究部門をはじめ、アプリとシステムサーバー、マシンを制作する社外のメンバーともミーティングを重ね、14カ月でβ版(正式版の発売前に試用のために提供されるもの)にこぎつける。その後はユーザーインタビューで問題点を探り、ブラッシュアップ。β版で1,000通りだった抽出パターンは80,000通りに。「オプチューンは、資生堂が蓄積した肌への知見があってこそ実現したもの。今後オプチューンによって得たデータが新しいスキンケア開発につながる可能性もあります。これはひとつの通過点、今後もアップデートを続けていきます」

画像: 近藤美鈴(MISUZU KONDO) オプチューンのアプリやマシンなどのUX(ユーザーエクスペリエンス。製品やサービスを 通じて利用者が得る体験)開発に携わる。自身もエアクローゼットなどの定額サービスや、スマートスピーカーなどをいち早く導入。「新しもの好き。ミーハーなんです」と笑う PHOTOGRAPH BY SHINSUKE SATO

近藤美鈴(MISUZU KONDO)
オプチューンのアプリやマシンなどのUX(ユーザーエクスペリエンス。製品やサービスを 通じて利用者が得る体験)開発に携わる。自身もエアクローゼットなどの定額サービスや、スマートスピーカーなどをいち早く導入。「新しもの好き。ミーハーなんです」と笑う
PHOTOGRAPH BY SHINSUKE SATO

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