PHOTOGRAPHS BY JOHN CHAN, STYLED BY MASAYO KOORIYAMA, EDITED BY YUKINO HIROSAWA
奈良時代から続く“胡粉盛り上げ彩色”。「貝の粉を練り、筆で塗り重ねて厚みを出し、箔押しや彩色を施すゆえの美しい立体感。縁起物の喜久(=菊)や千鳥に祝意を込めて」。
漆と錫を用い、自然や植物の繊細な美をかたどる漆芸家・黒木紗世さんの作品。「蒔絵の技法である針描きによる絵柄は、個々で表情が違い、たおやかで女性らしい。普段は飾って愛めで、“ハレ”の日にお酒を味わって」。
伝統工芸の水引をモダンに昇華した世界的に注目を集める水引デザイナーの長浦ちえさん。「縁起物がデザインされたハンドメイドのお飾りも素敵です。和の祝いのかたちをこの季節の贈り物に」。
水分をいっさい含まない油揚げを上品な鰹だしで煮込む、福岡の味。だしがジュワッとあふれるほど潤いに満ちて。「慶事には水引がのったものを贈りたい」。
「宮内庁御用達の銀製品の老舗。お鍋や湯豆腐などに添えたい美しいおたまは、集いのテーブルにも活躍」。松竹梅それぞれの図柄を、凸凹とつやあり、つや消しで表現。持ち手は熱が伝わりにくい竹製。
「鯛や小槌、俵など吉祥をかたどる夢つり菓子。前田ビバリーさんの手描きの張り子など、この季節は福を招く贈り物を」。
真野 知子(TOMOKO MANO)
ギフトコンシェルジュ。フードから職人による作品まで、審美眼で選んだオリジナルのギフトが話題に。ブランドのプランニングやウェディングギフトのプロデュースも行う。「今回は独自の作風で創作に励み、いい仕事をなさる作家・職人さんの作品をご紹介」