BY EMI ARITA
「デザインは生活を楽しく、豊かにし、思考や行動の可能性を広げてくれるものである」という考えに基づき、数々の展覧会を実施してきた21_21 DESIGN SIGHT。3月3日(金)よりスタートする企画展「The Orignal」では、世の中に深く影響を与えるデザインを「The Orignal」と定義し、多くのデザイナーを触発するような根源的な魅力と影響力を兼ね備えたプロダクトを紹介。

フェイ・トゥーグッド「ローリーポーリー」(2018、ドリアデ)
PHOTO: “UNTITLED (THE FORMS THAT DESIGNERS FIND OUT #173),” 2022 © GOTTINGHAM
IMAGE COURTESY OF 21_21 DESIGN SIGHT AND STUDIO XXINGHAM
会場には、本展のディレクターを務めるデザインジャーナリストの土田貴宏と、企画原案の深澤直人、企画協力の田代かおるが厳選した家具や食器、テキスタイルや玩具など約150点のプロダクトが集結。19 世紀後半から近年のプロダクトまでを展示し、ひとつひとつのデザインの魅力を改めて紐解いていく。

左:ヨーゼフ・ホフマン「シリーズB(ワインデキャンタ)」(1914、ロブマイヤー)
右上:ヴェルナー・パントン「パントノヴァ(コンケイヴ)」(1971/2019、モンタナファーニチャー)
右下:フィン・ユール「FJ ボウル (サラダボウル スモール)」(1951/2015、アーキテクトメイド)

左:ミケーレ・デ・ルッキ「セクレテッロ」(2016、ユニフォー)
中央上:インゲヤード・ローマン「ウォーターカラフェセット」(2017、木村硝子店)
右上:エンツォ・マーリ「フォルモサ」(1963、ダネーゼ・ミラノ)
右下:ジャスパー・モリソン「ムーン ティーポット」(1997、ローゼンタール)
また、一部のプロダクトは実際の生活で使用する様子を体感できるよう、インテリアデザイナー吉田裕美佳のスタイリングにより、部屋のような空間を再現したインスタレーションの中で紹介される。さらには、世界的な評価は高いものの、日本には流通しなかった「知られざる名作」も登場する。

フランコ・アルビニ「ルイーザ」(1955/2008、カッシーナ)
PHOTO: “UNTITLED (THE FORMS THAT DESIGNERS FIND OUT #285),” 2022 © GOTTINGHAM
IMAGE COURTESY OF 21_21 DESIGN SIGHT AND STUDIO XXINGHAM
今回「The Original」として展示したプロダクトについて、ディレクターの土田貴宏は「確かな独創性と根源的な魅力、そして純粋さ、大胆さ、力強さをそなえたデザイナー によるプロダクト」であると語り、選考過程のほか、各プロダクトに関連する写真や資料などの展示とともに「The Original」の背景にある考え方もあますところなく紹介される。多くの情報やモノに溢れ、デザインの本質を見失いがちな今こそ、「The Original」を通して、心豊かにするデザインの原点を見つめ直したい。
21_21 DESIGN SIGHT 企画展「The Original」
会期:3月3日(金)〜6月25日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー 1&2
住所:東京都港区赤坂9-7-6東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜日(3月21日は開館)
料金:一般 ¥1,400、大学生 ¥800、高校生 ¥500、中学生以下無料
特別協賛:三井不動産株式会社
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