1924年に誕生した、帝国ホテル初のオリジナルカクテルをご存じだろうか。「マウント フジ」と名付けられた魅惑の一杯が紡ぐロマンに酔いしれたい

BY HIROYA ISHIKAWA

画像: 雪を頂いた富士山と真っ赤な太陽をイメージしたという「マウント フジ」(¥3,050)。ぜひ真横から眺めてみたい

雪を頂いた富士山と真っ赤な太陽をイメージしたという「マウント フジ」(¥3,050)。ぜひ真横から眺めてみたい

 近年、東京を中心にバーがブームとなり、カクテルが話題になることも増えている。そんな流行の最中だからこそ、より存在が際立つカクテルがある。それが1924年に誕生した、帝国ホテル初のオリジナルカクテル「マウント フジ」だ。

 当時、世界一周旅行のクルーズ船で欧米の一行が来日した際に、帝国ホテルで行われた祝賀パーティのウェルカムカクテルとして考案されたもので、雪化粧をまとった「富士山」に赤い太陽が昇る瞬間をイメージしたといわれるドラマチックな見た目が日本を象徴し、記憶にも残る一杯となっている。

画像: カクテルの材料は多くても3 〜4 種類という時代に卵白やパイナップルジュースなどの贅沢品を含めた6 種類を使用。その点でも別格の存在だった

カクテルの材料は多くても3 〜4 種類という時代に卵白やパイナップルジュースなどの贅沢品を含めた6 種類を使用。その点でも別格の存在だった

 時代が変われどもレシピは不変で、オールド・トム・ジンをベースに、レモンジュースやパイナップルジュース、卵白、生クリーム、さらにはサクランボを原料としたリキュールのマラスキーノがブレンドされている。一般的にジンベースのカクテルはドライジンを使うことが多いのだが、「マウント フジ」では甘口のジンを使用。キリッとしたキレのよさを秘めながらも、甘い香りや優しい口あたりが印象的なカクテルに仕上げられている。そして、完成から100年もの間、ビバレッジリストに掲載されつづけ、国内外のさまざまな人たちに愛され、飲み継がれてきた。

画像: 「ライト館」の意匠を残す「オールドインペリアルバー」での一杯は、時を超えた極上の体験となる

「ライト館」の意匠を残す「オールドインペリアルバー」での一杯は、時を超えた極上の体験となる

 この伝説的なカクテルは、現在、帝国ホテル 東京内のバーで提供されている。なかでもメインバーである「オールドインペリアルバー」は、「マウント フジ」誕生の前年に完成した建築家フランク・ロイド・ライトによる「ライト館」の意匠が、現本館の中で残されている場所だ。店内の一角を彩る幾何学模様の壁面やバックバーに施されたテラコッタは「ライト館」当時のものである。それゆえ、そこかしこに「ライト館」の面影が感じられる。そんなノスタルジックな雰囲気をたたえた「オールドインペリアルバー」で「マウント フジ」とともに過ごす時間は、まるで100年前にタイムスリップしたかのよう。カクテルの特徴的な味わいはもちろん、幾多の歴史を重ねてきた帝国ホテルだけが醸す、深淵なるロマンにも酔いしれたい。

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF IMPERIAL HOTEL

お問い合わせ先/帝国ホテル 東京 オールドインペリアルバー
TEL.03-3539-8088

  

画像: 【NEW OPEN-泡をテーマに極上のひとときを】 3 月1 日、帝国ホテル 東京 本館1Fのランデブーラウンジ横に、発泡性飲料を豊富にラインナップした新スポット「THE RENDEZ-VOUS AWA(ランデブー アワ)」がオープン。なかでもシャンパンとスパークリングワインは、ホテル開業134周年に合わせて134銘柄が揃った。ほかに、発泡性の日本酒なども楽しめる。 お問合せ先/THE RENDEZ-VOUS AWA TEL.03-3539-8045(ランデブーラウンジ)

【NEW OPEN-泡をテーマに極上のひとときを】

3 月1 日、帝国ホテル 東京 本館1Fのランデブーラウンジ横に、発泡性飲料を豊富にラインナップした新スポット「THE RENDEZ-VOUS AWA(ランデブー アワ)」がオープン。なかでもシャンパンとスパークリングワインは、ホテル開業134周年に合わせて134銘柄が揃った。ほかに、発泡性の日本酒なども楽しめる。

お問合せ先/THE RENDEZ-VOUS AWA
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