たった一脚でも、住まいを洗練の空間へと昇華させてくれる「名作」と呼ばれる美しき椅子。今回は読書に映画鑑賞と、ひとり時間に充足感もたらすラウンジチェアの名作を厳選紹介

BY EMI ARITA

ミース・ファン・デル・ローエの
「バルセロナチェア」

画像: 「ミース ファン デル ローエ コレクション バルセロナチェア」¥1,474,000〜/ノルジャパン COURTESY OF KNOLL

「ミース ファン デル ローエ コレクション バルセロナチェア」¥1,474,000〜/ノルジャパン

COURTESY OF KNOLL

 モダンデザインのアイコン的存在となっている「バルセロナチェア」。デザインを手掛けたのは、ドイツのバウハウスで最後の校長を務めた近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエ。1929年のバルセロナ万博の際、王族が腰掛けるための椅子として製作されたもので、ミース・ファン・デル・ローエの名言「less is more」(レス・イズ・モア=より少ないことは、より豊かなことである)を体現するシンプルな構造と、エレガントな佇まいで魅了する。
 背もたれからX字にクロスする脚へとつながるクロームスチールのフレームは、職人の手で丁寧に磨き上げられており、優美な曲線を描くのが特徴。そのフレームのカーブに沿うようにデザインされている革張りのシートクッションと背もたれのクッションには厚みがあり、預けた体をしっかりと支えてくれる。同シリーズのスツールもあり、オットマンとして組み合わせて使うのもおすすめ。

画像: 左は同シリーズのスツール。(左)「ミース ファン デル ローエ コレクション バルセロナスツール」¥739,200〜/ノルジャパン COURTESY OF KNOLL

左は同シリーズのスツール。(左)「ミース ファン デル ローエ コレクション バルセロナスツール」¥739,200〜/ノルジャパン

COURTESY OF KNOLL

ノルジャパン 
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フランコ・アルビニ&フランカ・ヘルグの
「トレ ペッツィ」ラウンジチェア

画像: 「トレ ペッツィ」ラウンジチェア¥902,000〜/カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「トレ ペッツィ」ラウンジチェア¥902,000〜/カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 イタリアのモダンデザインを牽引した建築家・デザイナーのフランコ・アルビニと、共同制作者であったフランカ・ヘルグによって1959年にデザインされた「トレ ペッツィ」ラウンジチェア。ゆったりと体を預けられるハイバックスタイルで、それぞれのパーツは彫刻的なフォルムを描き、空間での存在感も抜群だ。
 中でも目を引くのが、フレームのスチールパイプのデザイン。左右のアームの先端部分は、スチールパイプが弧を描くように曲げられており、優れた造形美の中に、さりげない遊び心を添えるイタリアンモダンらしさが感じられる。張り地はモダンな空間にも似合うレザーや、柔らかな印象のファブリックなど、豊富な素材とカラーからセレクト可能。

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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プレーベン・ファブリシャス&ヨルゲン・カストホルムの
「Plico chair」

「FK10 | Plico chair」¥388,300/カール・ハンセン&サン

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

 ラテン語で「折りたたむ」の意である「プリコ(Plico)」と名付けられた、折りたたみ式のラウンジチェア「Plico chair」。1964年にデンマークのデザインデュオ、プレーベン・ファブリシャスとヨルゲン・カストホルムがデザインしたもので、柔らかな印象の張り地と木製フレームを組み合わせた軽やかな外観は、どんな空間にもマッチするタイムレスな美しさを放つ。
 二人は他のデザイナーならば隠そうとするものも、意匠として際立たせる卓越した美的センスを持ち合わせており、「Plico chair」も接合部や真鍮の金具パーツを“デザイン”として見事に昇華させている。背もたれとシートは、寄りかかった際の姿勢にフィットするよう傾斜がついており、いつまでも腰掛けていたくなるほどの快適さ。バリエーションは、ハイバックでヘッドレストのついた「FK10」とローバックの「FK11」の2種。

画像: (右)は「FK11 | Plico chair」¥347,600/カール・ハンセン&サン COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

(右)は「FK11 | Plico chair」¥347,600/カール・ハンセン&サン

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア 東京/大阪  
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アルヴァ・アアルトの
「アームチェア 400 タンク」

画像: 「アームチェア 400 タンク」¥854,700/アルテック COURTESY OF ARTEK

「アームチェア 400 タンク」¥854,700/アルテック

COURTESY OF ARTEK

 どっしりと重厚で威厳ある佇まいから、「タンク(戦車)」の愛称で親しまれている「アームチェア 400 タンク」。1936年、アルヴァ・アアルトがミラノトリエンナーレの展示のためにデザインしたもので、カンチレバー(片持ち梁)型の木製フレームと厚みのある低めの座面が特徴だ。
 同じ方向に揃えて合板にし、従来の合板よりも頑丈かつ無垢材のような美しい仕上がりを叶える技術「ラメラ曲げ木」によって、滑らかに曲げられた太く厚みのあるフレームは、腰掛けると柔らかくしなり、体を優しく受け止めてくれる。張り地は、無地のファブリックやレザー、ゼブラ柄のファブリックと、豊富な素材とカラーからセレクト可能。フレームもナチュラル、ウォルナット、ブラックなどから選択できる。

画像: COURTESY OF ARTEK

COURTESY OF ARTEK

アルテック
TEL. 0120-610-599
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コルビュジエに師事した3名のデザイナーが生んだ
“バタフライチェア”こと「BKFチェア」

画像: 「BKFチェア」¥169,400~/CUERO(メトロクス) COURTESY OF METROCS

「BKFチェア」¥169,400~/CUERO(メトロクス)

COURTESY OF METROCS

 現在ではリモデル版も多く見かける“バタフライチェア”。その元祖が、1938年に誕生したこちらの「BKFチェア」。ル・コルビュジエの下で働いていたアルゼンチンのデザイナー3名(アントニオ・ボネット、フアン・クルチャン、ホルヘ・フェラーリ=ハードイ)によってデザインされたもので、布だけで構成されたシートは、ハンモックのように体が浮遊するような快適さをもたらし、多くの芸術家たちを魅了。1941年にはMoMA(ニューヨーク近代美術館)に収蔵されただけでなく、ミッドセンチュリー期に入ると、特に若者たちから絶大な支持を得た。
 その後流行がひと段落し、一時は生産終了となったが、2005年、スウェーデンのインテリアブランド、CUERO社によって復刻。シートはもともとのキャンバス地からイタリアの上質なレザー仕様に変更され、よりなめらかに体を支えてくれる。カラーはブラウン、ブラック、ナチュラルの3種。

画像: COURTESY OF METROCS

COURTESY OF METROCS

メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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