BY EMI ARITA
ミケーレ・デ・ルッキの「ファースト」
1981年にデザイナーズ集団「メンフィス」を結成し、ポストモダンを牽引した、イタリアの建築家ミケーレ・デ・ルッキ。1983年にデザインした「ファースト」は、線、面、球体を融合させた彫刻的なフォルムが特徴。幾何学的なパーツやカラフルな色使いなど、より自由な発想から生まれるデザインで一大ムーブメントを起こしたポストモダンを象徴する名作として知られている。
青い背もたれ部分は、寄りかかる姿勢に合わせてフレキシブルに傾斜するジョイントタイプになっており、座り心地も快適。また、肘掛けになっている黒い球体は、モビールを発明した彫刻家、アレクサンダー・カルダーへのオマージュとしてデザインされたもの。モビールの持つ軽やかさや可動性を椅子として昇華させたポップアートのような名作。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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ヨーン・ウツソンの「ウツソン・スツール」
不思議な球体によるデコラティブなシートがアイコニックな「ウツソン・スツール」。シドニーのオペラハウスをデザインしたことでも知られるデンマークを代表する建築家、ヨーン・ウツソンが1950年代にデザインしたもので、ユニークなデザインと、オイル仕上げのビーチ無垢材の軽やかな美しさを見事に融合させている。
その見た目とは裏腹に、座り心地も驚くほど快適。シートを構成する球体のベース部分には真鍮があしらわれており、横から見た時の姿の気品に満ちた佇まいも「ウツソン・スツール」の魅力。時を経るごとに深みの増す無垢材の経年変化も愛でながら、空間にエレガンスと遊び心を添えたい。
フリッツ・ハンセン 東京
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アキッレ&ピエール・ジャコモ・カスティリオーニ の「セラ スツール」
自転車のサドルがシート、というインパクト抜群の「セラ スツール」は、モダンイタリアを代表するデザイナー、アッキレ・カスティリオーニとピエール・ジャコモ・カスティリオーニ兄弟が、1957年に「電話用スツール」としてデザインしたもの。
牛の乳搾り用のスツールから着想を得ており、座面と1本の脚、そしてそこに座る人の2本の脚を加えることで安定させることを想定してデザインされている。椅子として迎えるべきか、アートとして迎えるべきか、悩ましいプロダクトではあるが、モダンな空間にも違和感なく調和してくれるのも「セラ スツール」の魅力。ただ突飛なのではなく、美しいデザインとして成立しているからこそ、名作として愛され続けているのだろう。
メトロクス
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フィリップ・スタルクの「 ニョメス アッティラ」
東京・浅草のビルの上にあり、誰もが一度は目にしたことがある金色の炎のオブジェをデザインするなど、建築から家具に至るまで様々なデザインを手掛ける現代を代表するデザイナー、フィリップ・スタルク。前衛的かつ独創的な発想から生まれる唯一無二のプロダクトは、優れた機能性とワクワクとする遊び心にあふれた作品ばかり。こちらの「ニョメス アッティラ」もそんな作品のひとつ。
おとぎ話に登場する“庭の小人”をモチーフにした「ニョメス」が、なんとも言えない表情で切り株を模したようなシートを支えている姿は愛らしさ抜群。シートはフラットなため、椅子としてはもちろん、サイドテーブルや飾り台とマルチに活躍してくれる。カラーはこちらの「カラフル」のほか、ワンカラーで塗装されたブラック、ゴールドもラインナップ。頭にシート面がある「ニョメス ナポレオン」と並べて飾るのも楽しい。
カルテル
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SANAAの「SANAA チェア」
フリーハンドで描いたような左右非対称の「耳」がおしゃれな「SANAAチェア」。2005年に世界的な建築プロジェクトを手掛ける妹島和世と西沢立衛のユニット・SANAAがデザインした作品で、その愛らしい見た目と快適な座り心地で人気を博す、現代を代表する名作だ。
ビーチ材を使ったシートのカラーは、素材の温もりを活かしたナチュラルや木目の透け感が繊細なブラックのほか、ピンク、グリーン、イエロー、ホワイトベージュなど全8色。サイズも、一般的なダイニングチェアサイズのほか、子ども用の椅子にちょうどいい「ミニ」と、さらに小さい「ミニミニ」の全3種がラインナップ。自分が座る用、もう一脚は飾る用......と、豊富なカラーやサイズから数脚セレクトしてコーディネートを楽しむのもおすすめ。
マルニ木工
TEL. 03-5614-6598
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