抱腹絶倒系から、クスリと笑ったり、ニンマリしたり。韓流ブームの立役者で韓流エンタメのスペシャリストである田代親世さんが、韓国ドラマの魅力をさまざまな角度からご紹介! 笑って、気持ちも明るくなる、選りすぐりの韓流傑作ドラマをラインナップ。 

TEXT BY CHIKAYO TASHIRO

■U-NEXTにて配信中

『ボスを守れ』

“ボスと秘書”がまるで母子のような関係に⁉
 トラブルメーカーの財閥御曹司とキュートな庶民娘が主人公の、ラブリーで明るい恋愛コメディです。高校時代は学校の女番長のような存在だった女性が、就職難の中でやっと決まった仕事先が、問題ある不良の財閥2世の秘書だったというところから始まる、はつらつとして愛らしい物語。

 チソン扮する御曹司は喜怒哀楽豊かな、まるで子供のようなキャラクター。その彼が最初は嫌がらせのようにチェ・ガンヒ扮する秘書に仕事を言い付けるのですが、だんだん彼女なしではやっていけないという状態になっていきます。この秘書役のチェ・ガンヒが可愛くてとってもお茶目。ボスと秘書という間柄だったのに、だんだん手のかかる子供に対する母親のような関係性になっていきます。秀麗でエリートイメージのあったチソンはこのドラマで新たな魅力を発揮して新境地を開きました。

画像: © SBS

© SBS

 また、御曹司のいとこで次期経営者の座をめぐるライバルに扮しているのは、韓国の連続ドラマ初挑戦だったジェジュン。マナー、能力、処世術にも長けている完璧な男で、クールな瞳を持つ彼がヒロインを好きになり、どんどん人間味が出てくる姿をこちらもキュートに好演しています。とにかく登場するキャラクターたちが魅力いっぱい。従来の財閥が出てくるドラマの概念を打ち破る、庶民娘とクセのある財閥の“困った君” “困ったちゃん” たちが繰り広げていく、コミカルで微笑ましいドラマになっています。

■U-NEXTにて配信中

『熱血司祭』シーズン2

キレる神父&ヘタレ刑事が共同捜査
 『熱血司祭』は、一度キレると止まらない危ない神父とヘタレ刑事がタッグを組んで共同捜査に挑んでいくコメディーアクションドラマです。以前は優秀な対テロ対策の特殊要員だったのに、ある出来事がトラウマとなりすさんだ心を抱えていたところを神父様に助けられ、自らも神に仕える神父となった男キム・へイル。曲がったことが許せなく、怒りを制御できないため常にトラブルを起こしていた彼が、恩師の悔しい死をきっかけに、長い物には巻かれろ精神の無能な刑事ク・デヨンと共同捜査を始めることになる…、というのがシーズン1。

画像: 神父のヘイル役キム・ナムギル。©2024 SBS & Studio S. All rights reserved.

神父のヘイル役キム・ナムギル。©2024 SBS & Studio S. All rights reserved.

 ヘイル役のキム・ナムギルが、ひょうひょうとしながらノリのいい弾けた演技を披露して、エネルギッシュな部分と渋く押さえる部分のメリハリがきいていてとってもコミカル。神父の裾長の服を翻しながらのアクションもかっこいい! ヘタレだったのに正義感をどんどん発揮していく刑事のデヨンや俗物でイケメン好きの女検事と丁々発止のやり取りをしながら、徐々に良きチームになっていくところが魅力で、悪い奴らに鉄槌を下すさまが実に痛快です!

画像: 刑事役のキム・ソンギュン。©2024 SBS & Studio S. All rights reserved.

刑事役のキム・ソンギュン。©2024 SBS & Studio S. All rights reserved.

 そのシーズン1から5年後に作られたのがシーズン2。デコボコだけど良きチームワークはそのままに、舞台をプサンに移して、プサンの麻薬カルテルを捕まえるという内容で進行。前作よりもさらにコミカルさを前面に出してエンターテインメント性を重視した作りで痛快な後味を残しました。

■ディズニープラス スターで全話独占配信中

『スティーラー 〜七つの朝鮮通宝〜』

ダークヒーロー&警察が悪に対抗
 俳優チュウォンが文化財をめぐって現代版ネズミ小僧のごとき活躍を繰り広げるコメディーアクションです。文化財庁の事務官でろくに仕事もせずにさぼってばかりのおちゃらけ公務員、ファン・デミョン(チュウォン)は、実は夜になると黒装束に身を包み、違法に文化財を手にしている権力者や犯罪者から文化財を盗み出し、国民のもとに戻している通称スカンクという顔を持つ男。そんなダークヒーローと、ソウル警察の文化財犯罪を扱う専門チームのメンバーという、本来は敵対する立場の両者たちが、こっそりと手を組んで悪い奴らに対抗していきます。

画像: ファン・デミョン役のチュウォン。© STUDIO DRAGON CORPORATION

ファン・デミョン役のチュウォン。© STUDIO DRAGON CORPORATION

 彼らが、7枚集めると意味を成すという穴の開いた朝鮮通宝を探し出して、隠された大量の文化財と謎の宝を回収するというミッションに挑む設定で、アドベンチャー映画のような楽しさがあり、メンバーたちが役割分担をしながらチームで戦っていくのが愉快、痛快です。

画像: © STUDIO DRAGON CORPORATION

© STUDIO DRAGON CORPORATION

 デミョンが亡き父親の志を継いで「歴史を忘れた民族には未来がなく、文化財を失った民族には過去もない」をモットーに、誰よりも熱い志で文化財をあるべき場所に戻すことに情熱を捧げる男を演じていますが、昼の冴えない顔と、夜のかっこいいヒーロー姿の、軽妙な演じ分けが面白い見どころになっています。『ドラゴンボール』『ミッション:インポッシブル』『ハムナプトラ』『ロボコップ』など、有名作品のあれやこれやがあちこちにちりばめられていて、そんなパロディー要素がふんだんに盛り込まれているのも笑えます。

■U-NEXTにて独占配信中 

『元カレは天才詐欺師~38師機動隊~』

青年詐欺師&公務員が罠を仕掛ける
 ソ・イングクが天才詐欺師に扮した、痛快な詐欺エンターテインメントドラマです。市役所の税金徴収課で働くうだつの上がらない課長(演じるのはマ・ドンソク)。大金を手にしながら税金逃れをして払わない対象者相手に今日も悔しい思いをしています。そんなとき、自身が詐欺にあったのをきっかけに、自分をだました天才詐欺師とタッグを組んで、正攻法では太刀打ちできない悪質な税金滞納者に詐欺を仕掛けて税金徴収を目指すことになります。

画像: 天才詐欺師役のソ・イングク。©STUDIO DRAGON CORPORATION

天才詐欺師役のソ・イングク。©STUDIO DRAGON CORPORATION

 まじめな公務員と詐欺師がタッグを組んで、ずるがしこい金持ちからお金をだまし取るという斬新なアイディア。天才詐欺師が中心となり、それぞれ得意分野を持つ専門の詐欺師たちを集めてチームを組んでターゲットに巧妙な詐欺を仕掛けていくのですが、見ているこちらも騙されて…という具合に、ハラハラしたり、驚かされたり、スリリングなコンゲームの面白さと、スカッとくる後味がいいです。でも単純明快なだけでなく、話が進んでいくにつれて、青年詐欺師の本当の目的が明らかになっていくという重層構造になっていきます。

画像: ソ・イングク(右から3人目)と課長役のマ・ドンソク(右から4人目)。©STUDIO DRAGON CORPORATION

ソ・イングク(右から3人目)と課長役のマ・ドンソク(右から4人目)。©STUDIO DRAGON CORPORATION

 ソ・イングクが軽妙洒脱で度胸のある、クレバーでスマートな詐欺師になり切り、人懐っこさや怜悧さといった多彩な魅力を振りまいています。こんな魅力的な青年詐欺師と、マ・ドンソク演じるぐでんとした冴えないおじさん課長という、でこぼこコンビのブロマンスもとってもいいんです。だましだまされる関係だった2人が次第に信頼と絆で結ばれていく過程が、このドラマの最大の見どころで、ジ~ンときます。庶民からしたら腹立たしいことこのうえない高額滞納者をぎゃふんといわせる痛快さがあって、韓国ではそのスッキリ具合が「サイダーのようだ」といわれて人気を集めました。

■Leminoにて配信中

『家いっぱいの愛』

家族のこじれた感情がほどけていく
 これは一回破綻した家族の再生を描くロマンスドラマです。プロ野球の選手だったものの、引退後、何をやってもうまくいかず家族に迷惑をかけてばかりの男。家族にも見捨てられ行方不明になっていました。一方、そんな夫と離婚して女手一つで娘と息子を育ててきたヒロインですが、一家が住むアパートが火災にあって困っていたところに、新たな大家だと言って11年ぶりに現れたのが元夫だったものだから、「えっ、なんで?」ということで、ドラマは動き出していきます。商才がなく失敗続きだった男がなぜお金持ちになったのか、火災の原因は?と謎が謎を呼ぶミステリー味も加わりながら、家族のこじれた感情がゆっくりほどけていくさまが描かれていきます。

画像: 元プロ野球選手でエヨンの元夫ムジン役のチ・ジニ(左)とエヨン役のキム・ジス(右)。Netflixシリーズ「家いっぱいの愛」独占配信中

元プロ野球選手でエヨンの元夫ムジン役のチ・ジニ(左)とエヨン役のキム・ジス(右)。Netflixシリーズ「家いっぱいの愛」独占配信中

 50代のヒロインは突然現れた元夫とどうなっていくのかという熟年男女の複雑な心模様と、懸命に仕事をしてキャリアアップを目指す20代の娘に訪れたかわいいラブラインが同時並行で描かれていきますので、世代を問わず共感できるのがいいところ。

画像: ムジンとエヨンの娘ミレ役のソン・ナウン(右)と、ミレが働くスーパーの警護役のチェ・ミンホ(左)。Netflixシリーズ「家いっぱいの愛」独占配信中

ムジンとエヨンの娘ミレ役のソン・ナウン(右)と、ミレが働くスーパーの警護役のチェ・ミンホ(左)。Netflixシリーズ「家いっぱいの愛」独占配信中

 面白いのは、よりを戻したい元夫と、そんな父親から母親を守りたい娘が、母親を間に挟んでバトルを繰り広げていく構図です。この突然の父親の登場をきっかけに、父親がいなかった分、お互いのためにと懸命に生きてきた母娘がそれぞれの自立を考えたり、別の家族ではありますが、なさぬ仲の親子が絆を深めることになったり、誰も悪人が出てこない、後味の良いハートフルな家族ドラマになっています。

■Netflixシリーズ「家いっぱいの愛」独占配信中

『彼女の私生活』

推しを守るため、天敵の上司と偽装恋愛
 このドラマは、アイドルオタクのキャリア女子と俺サマ上司が繰り広げるラブコメディーです。美術館で働くヒロインは、表向きは仕事のできる完璧なキュレーターだけど、ひとたびプライベートになると黒装束に身を包み、一眼レフカメラを持って大好きなアイドルの写真を撮ってファンサイトやSNSにアップすることを生きがいにしているアイドルオタク。でもオタクがばれると仕事に支障をきたすと思ってそのことはひた隠しの二重生活をしています。このドラマでヒロインは、仕事の関係でその推しの恋愛相手だと誤解されそうになり、推しを恋愛スキャンダルから守るため、天敵のように思っていた上司と偽装恋愛することになるんです。

画像: ライアン・ゴールド役のキム・ジェウク(左)とヒロイン役のパク・ミニョン(右)。©STUDIO DRAGON CORPORATION

ライアン・ゴールド役のキム・ジェウク(左)とヒロイン役のパク・ミニョン(右)。©STUDIO DRAGON CORPORATION

 そんなこんなで始まった偽装恋愛で、アイドル好きをひた隠しにしているヒロインの悩みはさらに増えていきます。ヒロインがオタクなので、ホームページマスター、略してホムマって何? 一般人コスプレって? という具合に、ドラマではオタク用語も随所に飛び出し、アイドルとファンの関係性やオタクの生態を見せてくれるので、韓流やKPOPアイドル好きにとってはもう共感の嵐でしょう。

画像: ©STUDIO DRAGON CORPORATION

©STUDIO DRAGON CORPORATION

 そしてこのドラマはライアン・ゴールドを演じているキム・ジェウクがかっこいい!適度に俺サマで、適度にコミカルで、柔らかな笑顔にドキリとします。パク・ミニョンのコケティッシュな魅力と相まって何ともお似合いのラブリーなカップルで、ふたりのラブラブっぷりにはついニマニマしてしまいます。 またアイドルのシアン役は俳優で歌手でもあるONEが演じていて、現役歌手だけにチャーミングです。こういう幸せな気持ちにしてくれるラブコメディーが見たかった!という期待に応えてくれるドラマです。

■U-NEXTにて配信中

『ファンタスティック・カップル』ア

メリカ映画原作の胸キュン!ラブコメ
 こちらは1987年のアメリカ映画『潮風のいたずら』を原作にしたドラマです。傍若無人の高飛車セレブな人妻アンナとガテン系の純情男チョルスが繰り広げる、ラブ・コメディー好きにはたまらないドラマです。

 まるで天敵のような出会いをしたアンナとチョルス。でもアンナが事故で記憶を失ったのをいいことに、チョルスは、今までの復讐としてこき使ってやろうと彼女を恋人だといって引き取り、3人の甥っ子たちがいる男所帯の家に連れて行くのですが、生活力ゼロのアンナはまるで疫病神のように、次々ととんでもないことをしでかしていきます。このドラマの勝因はとってもユニークで強烈なキャラクターたち。超タカビーだったゴージャス美人が、一転モンペ姿に髪振り乱し、ダサダサの格好になるのですが、それでも女王様キャラは変わらない、というハン・イェスル演じるとんでもヒロイン像が妙にかわいくて、彼女が放つ命令調の独特のセリフ「~のザマときたら」が流行語にもなりました。そしてガテン男を演じたオ・ジホの、お金にはせこいけれど、男らしく温かさのある人間味がジンジン胸にしみてきます。

画像: 主人公アンナ役のハン・イェスル。©MBC, iMBC All Rights Reserved.

主人公アンナ役のハン・イェスル。©MBC, iMBC All Rights Reserved.

 『美男<イケメン>ですね』『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』『還魂』といったヒットドラマを生み出している、大人気の脚本家「ホン姉妹」(ホン・ジョンウン&ミラン)が手がけた作品で、漫画チックに始まりますが、途中からどんどん胸キュン度が高まります。大金持ちゆえに、真心で愛することにも、愛されることにも慣れていなかった、魔女のように恐れられていた女が、どんどん人間らしく変わっていく。彼女の強気の裏に見え隠れする寂しさにキューンとなり、鼻の奥がツーンとなる、ウェルメイドなラブコメ作品です。

■U-NEXT配信中

『もうすぐ死にます』

今が旬のトップスターたちが総出演!
 韓国では、今見れば豪華なキャストだったよねというドラマは結構ありますが、『もうすぐ死にます』は、まさに今が旬の俳優たちが豪華出演しているのがすごいのです。

画像: 主人公チェ・イジェ役のソ・イングク。© 2023 TVING

主人公チェ・イジェ役のソ・イングク。© 2023 TVING

 ソ・イングク演じる主人公が、やることなすことうまくいかず、人生を悲観して自死してしまうのですが、死神の怒りを買って、簡単には死ねない罰を受けてしまいます。12回死ななければならず、そのために12人の人生を生きることを課せられるのです。毎回違う人生なので、生まれ変わるたびに俳優さんが変わるわけで、それらを演じているのがSUPER JUNIORのチェ・シウォン、『完璧な結婚のお手本』『じれったいロマンス』のソンフン、『還魂』のイ・ジェウク、『ザ・グローリー』のイ・ドヒョン、『還魂』『ムービング』のコ・ユンジョン、『模範刑事』のチャン・スンジョ、『彼女の私生活』『クレイジーラブ』のキム・ジェウク、『サイコだけど大丈夫』『ストーブリーグ』などのオ・ジョンセという豪華な面々です。そして、その全員にかかわってくる悪縁の男が『その恋、断固お断りします』『悪の花』のキム・ジフンと、これまた豪華。え、これっぽっちの出演なの?という人もいれば、がっつりまるっと一話分出演する人もいて、死が題材になっているドラマではありますが、多くのスターがこんな出方をするんだ~と、見る楽しみが膨らみます。

画像: チョ・テサン役を演じる、実力派俳優イ・ジェウク。© 2023 TVING

チョ・テサン役を演じる、実力派俳優イ・ジェウク。© 2023 TVING

 内容は、そもそもの主人公であるソ・イングク演じる人物の魂が、生き変わるごとにほかの体に入るのですが、どの人生の記憶も覚えているので、その記憶を次の人生で生かしていきます。最初はつながりがなさそうだった人物たちには実は関係があって、それぞれのパートで散りばめられていた伏線が最後にはきれいに結びついていくのがお見事。終盤では、なんと、その人物に生まれ変わるのか!という驚きもあり、そこで生きることへのメッセージが滾々と胸にしみいり、自死は決してしてはならないという強い思いに至るのです。入り口と出口では随分と鑑賞イメージが変わる作品です。

■Prime Videoで独占配信中

『マイ・デーモン』

本当の悪魔と悪魔のような女性の恋
 このドラマはなんと悪魔が主人公。ある理由から、人間の欲望を叶える代わりに10年後、その人物の命を奪うという取リ引きを繰り返しながら200年以上生きています。一方、両親を亡くすも、両親のビジネスパートナーだった財閥会長に溺愛され、若くして女性経営者になっているヒロイン。彼女は見た目はかわいいけれど、エルメスを着た悪魔と異名をとるほど、恐れられている存在です。そんな悪魔のような女性と本当の悪魔が繰り広げていくファンタジーラブストーリー。悪魔が出てくるとなると一見不気味ですが、ラブコメの王道設定がいくつも出てくる見目麗しい作品になっています。

画像: 悪魔だが200年以上に渡り、名前を変えながら生きているチョン・グウォン役のソン・ガン。Netflixシリーズ「マイ・デーモン」独占配信中

悪魔だが200年以上に渡り、名前を変えながら生きているチョン・グウォン役のソン・ガン。Netflixシリーズ「マイ・デーモン」独占配信中

 ある出来事がきっかけで悪魔の能力の源となるタトゥーがヒロインの手首に移ってしまい、能力が失われてしまったことから、とにかくヒロインの手首をつかんで充電が必要となり、だからこそ財閥家の相続問題で命を狙われている彼女を守るためにボディーガードをする羽目になり、さらには契約結婚にまで至っていきます。

画像: ヒロインのト・ドヒ役のキム・ユジョン。Netflixシリーズ「マイ・デーモン」独占配信中

ヒロインのト・ドヒ役のキム・ユジョン。Netflixシリーズ「マイ・デーモン」独占配信中

 『トッケビ』へのオマージュなのか、『トッケビ』を思わせるシーンがあちこちに出てくるのですが、なんといっても悪魔を演じるソン・ガンの人間離れした超絶な美しさやスタイルの良さと、ヒロイン役のキム・ユジョンの硬質な愛らしさというビジュアルの魅力がこのドラマの真骨頂。二人の丁々発止のやり取りがテンポが良くて愉快だし、背景が財閥と財団なのでゴージャスだし、ファンタジードラマにふさわしくキラッキラな画面演出で、とにかく目の保養になります。そんな風に楽しく見ていくと、朝鮮時代に端を発する二人の悲しい因縁がわかってきて、そこから切ない展開になるのが韓国ドラマチックですね。美男美女の現代劇と時代劇のそれぞれの美しさが堪能できるドラマです。

■Netflixシリーズ「マイ・デーモン」独占配信中

『ブラームスは好きですか?』

天才ピアニストと学生バイオリニストの青春
 音楽大学を舞台にした、孤高の天才ピアニストとバイオリン専攻の女子学生が繰り広げる青春ラブストーリーです。
 タイトルのブラームスは、ブラームスが、恩師であるシューマンの妻クララを愛していたという三角関係をモチーフにしているところから来ています。

画像: 天才ピアニスト、パク・ジュニョン役のキム・ミンジェ。©SBS

天才ピアニスト、パク・ジュニョン役のキム・ミンジェ。©SBS

 このドラマのヒロインは、バイオリンの魅力に遅まきながら気が付いて、4回のチャレンジの末、26歳でようやく音大に入学したという女性。一方の、ピアノの天才として知られる青年はピアノを弾いていてもちっとも幸せを感じなくなっている孤独な心の持ち主です。音楽の才能という点で対照的なふたりは、それぞれに片思いの相手がいながら、一緒に時間を過ごすうちに少しづつ心を通わせていくようになります。

画像: ヒロインのヴァイオリニスト、チェ・ソンア役のパク・ウンビン(右)とキム・ミンジェ(左)。©SBS

ヒロインのヴァイオリニスト、チェ・ソンア役のパク・ウンビン(右)とキム・ミンジェ(左)。©SBS

 天才ピアニストを演じるキム・ミンジェの端正な顔立ちが孤高の芸術家の雰囲気にぴったりでとっても素敵。パク・ウンビン扮する女子学生との、距離感を保ちながらのふたりのやり取りがこそばゆいくらいですが、微笑ましくて、このふたりの丁寧な気持ちの通い合いがとってもいいんです。でも想いが高まるにつれ、抑えきれない想いがあふれてきて激情に駆られる場面もあって、お似合いのふたりのしっとりした恋のはぐくみにじんわり来ます。いくら好きなことでも自分の才能とどう折り合いをつけるのか、美しいメロディーを背景に、若き音楽家たちが才能と残酷な現実のはざまで傷ついていく姿や、音楽の世界に生きる者同士の繊細で情感あふれた気持ちの紡ぎあいが見どころのドラマです。

■Amazon Prime Videoにて配信中

田代親世 韓流ナビゲーター 
韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。


韓流ナビゲーター・田代親世の記事一覧へ

▼あわせて読みたいおすすめ記事

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.