ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクター、トーマス・マイヤーが新たな試みに挑んだ。就任17年目にして、ニューヨークを舞台に繰り広げられた現代のラグジュアリーへの問いかけとその答え

BY JUN ISHIDA

<ニューヨーク・メゾン>は、ミラノ、ビバリーヒルズに次ぐボッテガ・ヴェネタの3つめのメゾンである。「メゾン」と名づけた新しいコンセプト・ストアは、「小売についての新しい考え方」を表すものとトーマスは言う。「メゾンを作ったのは、親密で、非常にパーソナルな空間ですべての製品を見てもらうことで、お客さまに特別な体験を提供したいと考えたからです」。

各都市の特徴を反映したメゾンは、それぞれにデザインも異なり、<ニューヨーク・メゾン>は19世紀に造られた歴史建造物である3つのタウンハウスをリノベーションし、ひとつの空間にしたものだ。クラシックな外観の中身はモダニズム建築を愛するトーマスらしく、メタリックな素材をベースにソリッドに仕上げながらも、フロアごとに異なる色みの家具や木材を採り入れ温かみを出している。

画像: ニューヨークのアップタウンにある、歴史建造物に指定された19世紀のタウンハウス3棟を結合し、ひとつの建物にした<ニューヨーク・メゾン>。建物が面したマディソンアヴェニューは、高級ブランドが軒を連ねる通りとして知られるが、ボッテガ・ヴェネタが1972年に、イタリア国外で初めて店を開いた通りでもある。 ボッテガ・ヴェネタ ニューヨーク・メゾン 740 Madison Ave, New York www.bottegaveneta.com

ニューヨークのアップタウンにある、歴史建造物に指定された19世紀のタウンハウス3棟を結合し、ひとつの建物にした<ニューヨーク・メゾン>。建物が面したマディソンアヴェニューは、高級ブランドが軒を連ねる通りとして知られるが、ボッテガ・ヴェネタが1972年に、イタリア国外で初めて店を開いた通りでもある。
ボッテガ・ヴェネタ ニューヨーク・メゾン
740 Madison Ave, New York
www.bottegaveneta.com

画像: <ニューヨーク・メゾン>1階フロア。真鍮の天井や床などのメタリックな要素は、太陽光が反射する高層ビル群をイメージ。フロアごとに天井、床、家具の素材と色みは微妙に変化する

<ニューヨーク・メゾン>1階フロア。真鍮の天井や床などのメタリックな要素は、太陽光が反射する高層ビル群をイメージ。フロアごとに天井、床、家具の素材と色みは微妙に変化する

そしてこの店舗をもっとも特徴づけるスペースが、最上階となる5階に設置された「アパートメント」だ。今回初めて作られたこのスペースは、その名のとおり誰かの部屋を思わせるものとなっている。広々としたリビングルームのような空間に、ボッテガ・ヴェネタのホームコレクションとトーマスがキュレーションしたイタリア人アーティストの作品、そして彼にインスピレーションを与えるさまざまなジャンルの書籍が置かれている。この空間は、ボッテガ・ヴェネタが考えるライフスタイルを表すものとトーマスは位置づける。

画像: 新コンセプトストア<ニューヨーク・メゾン>最上階に作られた「アパートメント」。巨大なリビングルームを思わせる空間にボッテガ・ヴェネタのホームコレクションと、トーマスがセレクトした1960〜70年代のイタリア人アーティストの作品が置かれている PHOTOGRAPH BY ADRIAN GAUT

新コンセプトストア<ニューヨーク・メゾン>最上階に作られた「アパートメント」。巨大なリビングルームを思わせる空間にボッテガ・ヴェネタのホームコレクションと、トーマスがセレクトした1960〜70年代のイタリア人アーティストの作品が置かれている
PHOTOGRAPH BY ADRIAN GAUT

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