2020年に向け大きく変貌を遂げようとする日本。ひとつのエポックメイキングとなるこの近い未来に向かって、クリエイターたちは何を目指すのか? 革新的な試みに挑む男たちが描く、新しいビジョン

BY JUN ISHIDA, PHOTOGRAPHS BY YASUTOMO EBISU, STYLED BY TAICHI SUMURA

画像: ジャケット ¥224,000、シャツ ¥69,000、パンツ ¥113,000 メゾン マルジェラ トウキョウ (メゾン マルジェラ) TEL. 03(5725)2414

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鈴木康広 / YASUHIRO SUZUKI
アーティスト

 箱根の彫刻の森美術館にて、2回目となる大規模な個展を開催中の鈴木康広。今回、どのような心持ちで展示に臨んだのだろうか。「昨年、ロンドンで展示を行いました。ロンドンといえば、英語と標準時という世界基準の地。その場所で、僕が子どもの頃から気になっていた〝情報化しづらいローカルなニュアンスみたいなものの所在〞について、〝誰もが知っているモノを使った作品〞という言語で、問いかけることができました。そんな体験を経た今回の箱根の展示では、『自然』というテーマに向き合うことになりました」

そうした過程から生まれた新作のひとつが、《自然を測るメトロノーム》だ。見た目は普通のメトロノームだが、ダイヤルを回すと、1秒、1分、1時間、1日、1週間、1月、1年、10年、100年、1000年、1万年に切り替わる。それによって、「建築は1万年もたないし、木も枯れるけど、山自体は残るかな」といった、目がくらむような超期間に思いを馳せる〝依り代〞が生まれたという。

「まだ制作したばかりで1万年を体感できるリアリティはありませんが、客観的なデータや知識ではなく、個人の想像力を引き出し、時間への意識を起動させるものが必要ではないかと最近思っているんです」

鈴木康広
1979年静岡県生まれ。2016年「第1回ロンドン・デザイン・ビエンナーレ2016」に日本代表として参加。彫刻の森美術館で展覧会『鈴木康広 始まりの庭』が2018年2月25日まで開催中

HAIR BY JUN GOTO(OTA OFFICE), TEXT BY TOMONARI COTANI

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