2020年に向け大きく変貌を遂げようとする日本。ひとつのエポックメイキングとなるこの近い未来に向かって、クリエイターたちは何を目指すのか? 革新的な試みに挑む男たちが描く、新しいビジョン

BY JUN ISHIDA, PHOTOGRAPHS BY YASUTOMO EBISU, STYLED BY TAICHI SUMURA

画像: コート ¥212,000、タートルネックセーター ¥67,000、パンツ ¥67,000、靴 ¥119,000 ドリス ヴァン ノッテン TEL. 03(6820)8104

コート ¥212,000、タートルネックセーター ¥67,000、パンツ ¥67,000、靴 ¥119,000
ドリス ヴァン ノッテン
TEL. 03(6820)8104

田島光二 / KOUJI TAJIMA
コンセプトアーティスト

 コンセプトアーティストなる職業がある。発注主の漠然としたイメージやコンセプトを頼りに、「最初の」ビジュアルを生み出す存在だ。きわめてクリエイティブな職能を持つ彼らは、とりわけ、ハリウッドの映画製作には欠かせない人材として重用されている。田島光二は現在27歳ながら、すでに5年のキャリアを誇る第一線のコンセプトアーティストだ。「ちょうど、『ブレードランナー2049』の作業が終わったところです。背景の建物のデザインとか、空を飛んでいるクルマを描きました。楽しかったですね!」

『ブレードランナー』でクルマといえば、米国の伝説的工業デザイナー、シド・ミードの系譜に連なる仕事、ということになる。「彼の画集は研究しました。1作目のテイストを壊さないように新しいものにすることが監督やプロデューサーから求められましたが、結局は自分がかっこいいと思うものを描きました。数案出したうち、いちばん気に入っていたデザインが採用されてうれしかった」

 大作に携わることができ、レベルの高い同僚と研鑽し合える現在の環境に充実感を感じつつも、いずれは帰国したいと田島は話す。「コンセプトアートという概念が、日本には根づいていません。そうした環境を、少しでも変えていくことができればと思います」

田島光二
1990年東京都生まれ。2012年よりVFX制作会社「Double Negative」所属。現在、同社カナダスタジオ在籍、『ワンダーウーマン』などを手がける

HAIR BY KATSUYA KAMO(KAMO HEAD), TEXT BY TOMONARI COTANI

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