エトロのウィメンズウェアを手がけるクリエイティブ・ディレクター、ヴェロニカ・エトロ。幼い頃の思い出から現在のインテリア、お気に入りの蒐集品から旅の思い出まで――。愛するもの、ことを語る

BY LINDSAY TALBOT, TRANSLATED BY MAKIKO HARAGA

「華やかな模様、水彩絵の具、絵筆やペンがたくさんあって、アトリエはおとぎ話に出てくる遊び場のようでした」。その光景を見て育ったヴェロニカ・エトロ(45歳)は、父ジンモが1968年に創業したメゾンのデザイナーに就任し、22年目を迎えた。創業時、ほかのメゾンに生地を提供するメーカーだったエトロは、ボヘミアンテイストや豊かな色使い、ペイズリー柄で知られるファッションブランドへと成長した。

ペイズリーは父が旅先のインドで涙のしずくの紋様に魅せられ、こだわり続けたモチーフだ。かつてのムガル帝国の人々、18世紀のパリの人々もペイズリーの虜になった。早くからプリントに関心を抱いていたヴェロニカは、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでファッションを学んだのち、プレタポルテを手伝うため23歳で帰国。3年後の2000年、ウィメンズウェアのクリエイティブ・ディレクターとしてデビューした。

画像: 「休憩中、ミラノのオフィスで愛犬ミロ(パーソンラッセルテリア)を撫でる私。息子がふたりいるので、ミロは“末っ子”。仕事着は、エトロの刺しゅう入りデニム、黒のボタンダウンのシルクシャツが定番」 COURTESY OF ETRO

「休憩中、ミラノのオフィスで愛犬ミロ(パーソンラッセルテリア)を撫でる私。息子がふたりいるので、ミロは“末っ子”。仕事着は、エトロの刺しゅう入りデニム、黒のボタンダウンのシルクシャツが定番」
COURTESY OF ETRO

 現在も父と3人の兄たちとともに家業を切り盛りする。世界を精力的に旅するヴェロニカの視野はアトリエの仕事場を超えて、はるか彼方まで広がっている。自由に生きるエトロ・ウーマンを体現する彼女の美学はグローバルそのもの。彼女がデザインするシルクのキモノやジャカードのダスターコート、フリンジのポンチョは、インドの縁飾りやジャワやモロッコのシルクと日本の模様編みをミックスしたものだ。「世界は学びの場」と彼女は言う。2019年の春夏コレクションは架空の南の島を想像させるもので、ハワイの花柄や昔の日本の書、南カリフォルニアのサーフィン&スケートボードのカルチャーが絶妙に溶け合っている。「忠実な再現は目指しません。最高に面白いクリエーションは、リアリティを超越したものだから」

画像1: COURTESY OF ETRO

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「新作『ペガソバッグ』は80年代のデザインを再構築。エトロの象徴ペガサスは、20〜30年代の欧州車を飾ったアールデコのボンネットマスコットにインスパイアされたもの」

画像2: COURTESY OF ETRO

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「2000年のデビュー時に創作したペイズリーのひとつで、レインボー・イカット柄と掛け合わせたもの。ペイズリーは、エトロを物語る大切な要素。上品さと世の主流に逆らう反骨精神を併せ持ち、オスカー・ワイルド、ミック・ジャガー、ジャニス・ジョプリンらがこの柄を身にまとった」

 

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