舞台の上をダイナミックに舞い、高らかに歌い上げるその姿で多くのファンを魅了する柚希礼音。多様な役柄に果敢に挑み、唯一無二のオーラを放つ俳優が、最新のモードを軽やかに着こなす

BY SATOKO HATAKEYAMA, PORTRAITS BY YOSHIYUKI NAGATOMO, STYLED BY FUSAE HAMADA, HAIR BY JUN GOTO(OTA OFFICE), MAKEUP BY NOBUKO MAEKAWA(PERLE)

 世界中で新型コロナウイルス感染症が拡大し、多くのエンターテインメント公演が中止や延期となった昨年5月末。あるYouTube動画が大きな話題となった。「Our song for youーまた会える日までー」と題されたプロジェクトは、元宝塚歌劇団のトップスター総勢19人がリモートで集結。宝塚時代の名曲「青い星の上で」の歌唱を通して、舞台の再開を楽しみに待つファンへ感謝と愛を届けるというものだ。今なお輝きを放ち続けるスターたちの実力に裏打ちされたその感動的な歌声は、動画に寄せられた1,000を超える称賛コメントがその成果を物語る。

「無理だろうと思いつつも、私の熱い思いをお伝えしたら、皆さん快く応じてくださって。一度も会っていないのに即座に心がひとつになれたのは幸せでした。ああそうだ、宝塚はこういうところだった、と伝統と結束力を思い返すことができました」

 プロジェクトへの参加を呼びかけ成功へと導いたのは、元宝塚歌劇団星組で男役のトップを6年にわたって務めた柚希礼音。現在は俳優としてミュージカルや舞台に数多く出演し、バレエで培ったしなやかな動きを武器に多様な役柄をこなす。稀代の男役と称されたのは天性の才能によるものでは? と問うと「入学当初は男役を望んでいなかったんです」と意外な答えが返ってきた。

「もともとはバレリーナになりたくて、海外で学ぶことも視野に入れていたのですが、家族の反対もあり宝塚音楽学校へ。身長が高かったので男役に進みましたが、最初はどう演じていいか迷うばかり。ただ、男役になったことで、広い肩幅や大きな肋骨、太い血管や大きな手など、バレエをするときに嫌だったところが長所として大いに褒められる。男役に出会えたことで自分自身を肯定することができましたし、大好きということと向いているということは違うのだと、そこで初めて思いました」

ステッチを効かせたベストとインタックパンツを組み合わせたマニッシュなムード漂うコンビネゾンは、洗練されたサファリルックを彷彿とさせる一着

画像5: 柚希礼音
自分軸のある表現者

キレのあるシャープな動きと、獲物を射るような強い視線。爪の先まで神経が行き届いた緊張感のあるエレガンスは、柚希礼音だからこその表現力。

コンビネゾン¥595,100、ブラウス¥169,400/エルメス

エルメス ジャポン
TEL. 03(3569)3300

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