BY YUKINO HIROSAWA, PHOTOGRAPHS BY TAKASHI EHARA
自らを「お酒よりも断然おやつ派。おやつがないと生きていられない、僕は生粋のスイーツ男子です」と語る杉山さん。その歴史は幼少期にまでさかのぼる。「京橋生まれの母が、スイーツが大好きで。3時になると、コーヒーや紅茶とともに近所のパティスリーのケーキや手作りのクッキーをいただくのは、幼い頃からの我が家の大事な文化ですね。その反動で、親の監視を逃れはじめた中学・高校時代は、『コーンポタージュスナックやから揚げ棒ってこんなに美味しいんだ!』とスナック菓子やコンビニのおやつのおいしさに開眼し、食べ過ぎて激太りしたことも……(笑)。そんな寄り道を経て、今に至ります」

「Kanae Bar」お試しセット8種入り¥3,400
Bardon
TEL. 0297(21)4087
http://bardonjapan.net
PRという職業は、スタイリストへのサンプル貸し出し業務のほか、取引先とのやり取り、カタログのディレクション、メディアへの露出と、驚くほど多岐に渡る。「表に出る立場でもあるし、いつまでもスーツをカッコよく着こなしたいので、やはり体調・体型には気をつかいますね。平日のデスクワーク時に欠かせないおやつが『Kanae Bar』。茨城県在住の勝田佳捺絵さんという女性が作るロータイプのバーで、デーツをはじめとした多彩なドライフルーツやナッツなど、世界20カ国以上から集めた最上級の素材だけが使用されています。新鮮さ、食感、味、コク…… 『世の中にこんなおいしいドライフルーツやナッツがあったんだ!』と衝撃を受けると思います。そのうえ、オメガ3脂肪酸や食物繊維、ミネラルなど不足しがちな栄養素もぎっしり。お通じもよくなるし、肌もつるっつるになりますよ」

「ゴーフレット」¥380(1枚)
パティスリー FOBS
TEL. 03(6231)7720
Facebookぺージ
一方で、週末にはお気に入りのおやつを買って、夕食後にコーヒーといただくのが何よりの幸せ。「出張でパリへ赴くことが年に数回あり、その際はどんなにスケジュールがタイトでも、合間をぬってゴーフレットの専門店『MEERT(メール)』へ。ゴーフレットといえばパリパリの食感を思い出す方が多いと思いますが、本場のそれはまったくの別モノ。あの味を日本で食べるのは不可能だろうと思っていたのですが、友人から教わった蔵前にある『パティスリー FOBS』のものは、本場のそれに限りなく近い。表面の生地はしっとり柔らか。バニラビーンズ香る発酵バタークリームがサンドされていて、シャリシャリとしたグラニュー糖の食感も重なって―—とてつもない満足感と幸福感。多めに購入して冷凍保存し、解凍しながらゆっくり味わっています」
好きになると、通って食べて、通って食べてを繰り返し、最終的には店主と仲よくなって、展示会やイベントでお出しするオリジナル商品まで作ってもらうという杉山さん。「どうせ食べるならおいしいものを、美しくしつらえたセットで食べたい」という食へのあくなき探究心と作り手への尊敬の気持ちが、自然と相手にも伝わっていくのかもしれない。
杉山耕平(KOHEI SUGIYAMA)さん
アパレルメーカー「TOMORROWLAND」の名物PRで、自社ブランドのほか、「イザベルマラン」や「SUPER A MARKET」などに加え、飲食では「ベアバーガー」のPRも手がける。生粋のヲタク気質で、おやつのほかに多肉植物を含む植物全般、金魚にも精通する
COURTESY OF KOHEI SUGIYAMA