料理やお酒を家で楽しむことが、より一層求められている昨今。季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。連載第3回は、この季節のごちそう「ホワイトアスパラガス」を手軽かつお洒落に味わう!

BY T JAPAN, FOOD COORDINATION BY YUKIKO HIRANO

今月の野菜:ホワイトアスパラガス
 最近は日本でも栽培量が増えて佐賀などから北海道まで広く生産され、生のホワイトアスパラガスが手軽に入手できるようになってきた。今回の連載では、ちょっと特別なフランス産を取り寄せて使用。「フランス産は味の濃さが圧倒的です。もちろん日本産のものもとても美味しいので、季節のごちそうとしてぜひ楽しんでみてください」(平野さん)

画像: ホワイトアスパラガスは、太いものほど柔らかく極上品とされている

ホワイトアスパラガスは、太いものほど柔らかく極上品とされている

レシピ1:ホワイトアスパラガスのからすみ目玉焼きのせ

 ゆでたアスパラガスに、たっぷりのバターで焼いた目玉焼きをのせ、からすみをたっぷりかけていただく簡単ながらとっても贅沢なひと皿。まずは驚くほどのジューシーさに感動し、その後に苦味と甘みがじんわりと広がっていく。卵の黄身とからすみが絡みあい、なんとも言えない複雑な美味しさがクセになりそう。

画像: 「ドイツ、オーストリアなどでは、アスパラガスはお肉やお魚と同じメイン料理の扱い。それくらい“主役感”のある味わいです。好みにもよりますが、少し柔らかめに仕上げるのがおすすめ」(平野さん)

「ドイツ、オーストリアなどでは、アスパラガスはお肉やお魚と同じメイン料理の扱い。それくらい“主役感”のある味わいです。好みにもよりますが、少し柔らかめに仕上げるのがおすすめ」(平野さん)

<材料 2人分>
ホワイトアスパラガス4〜6本、卵2個、バター大さじ3、からすみパウダー大さじ4、塩 

<作り方>
 ホワイトアスパラは根元の硬いところを切り落とし、穂先の下から皮を厚めにむく。
 フライパンに水、1の根元と皮、水1リットルに対して1%の塩を加えて火にかける。沸騰したらアスパラガスを加えてゆでる。太さによるが8~10分が目安。すぐに食べない場合は、そのままゆで汁に浸したままにして保存する。
 フライパンにバターを入れて熱し、溶けたところで卵を割り入れる。バターを白身のところにかけながら焼く。
 ゆでたアスパラガスを皿に並べ、3をバターごとのせ、からすみパウダーをふる。

画像: アスパラガスをゆでる時は、むいた皮と切り落とした根元も一緒に。皮をしっかりむいておくのが、繊維っぽさを残さないポイント。ゆで汁は極上のスープに!

アスパラガスをゆでる時は、むいた皮と切り落とした根元も一緒に。皮をしっかりむいておくのが、繊維っぽさを残さないポイント。ゆで汁は極上のスープに!

画像: アスパラガスの滋養がじっくり味わえるゆで汁は、塩で調味してスープとして飲んでもいいし、リゾットのブイヨンとしてなど様々な料理に使える

アスパラガスの滋養がじっくり味わえるゆで汁は、塩で調味してスープとして飲んでもいいし、リゾットのブイヨンとしてなど様々な料理に使える

レシピ2:ホワイトアスパラガスの塩釜焼き

 小麦粉に塩を加えた生地でアスパラガスを包んで、オーブンで蒸し焼きに。その香りは格別で、さらにアスパラガス本来の美味しさも凝縮されている。苦味の後にほんのりとした甘みが続き、繊維までもが美味しく感じられるほど!

画像: 「ぜひ、食卓の上で生地をぱかっと開いて、香りを楽しんでください。ソースもバターもいらない、お腹も心も満たされるような至福感のある美味しさ。ホワイトアスパラガスは野菜の中でも特別な存在です」(平野さん)

「ぜひ、食卓の上で生地をぱかっと開いて、香りを楽しんでください。ソースもバターもいらない、お腹も心も満たされるような至福感のある美味しさ。ホワイトアスパラガスは野菜の中でも特別な存在です」(平野さん)

<材料2〜3人分>
ホワイトアスパラガス6本、薄力粉150g、塩20g、水80〜90cc

<作り方>
 ボウルに薄力粉、塩を入れ、水を加えて練る。混ざったら、台の上でこねてひとまとめにする。ボウルに戻し、乾かないようにして30分ほど休ませておく。
 ホワイトアスパラガスは根元の硬いところを切り落とし、穂先の下から皮を厚めにむく。
 1の生地を長方形にのばす。
 アスパラガスを生地の左右どちらかの片側に乗せ、生地を半分に折りたたむようにしてアスパラガスの上にかぶせ、空気を抜きながら生地を閉じる。オーブンシートを敷いた天板に置く。
 200度に予熱したオーブンで20分焼く。アスパラガスが太い場合は少し長めに焼く。
 生地が焼けたら周りから包丁を入れて生地を外し、アスパラガスを取り出す。

【おすすめのお酒:オーストリアのヴァイスブルグンダー】

画像: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

「ヴァイスブルグンダー」とは、「ピノブラン」(白ワイン用ぶどうの品種)のこと。「ホワイトアスパラガスの独特の風味を引き立てる、優しい酸味と心地よい苦味を持つ白ワインを合わせました。今回セレクトしたのは、オーストリアの若い女性2人組が作り手の『レナーシスタ』。複雑なアスパラガスの味わいに寄り添ってくれる、自然派のワインです」(平野さん)

平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある。ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。公式サイトはこちら

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