BY YUKIKO HIRANO
夏のおつまみといえば枝豆。ついビールを選びがちだが、今回は近年、注目をあびるメスカルと合わせてみたい。メスカルはリュウゼツラン(アガベ)から作られるメキシコの蒸留酒。おなじみのテキーラは、実はメスカルの1種。テキーラはブルーアガベから作られるが、メスカルはさまざまな種類のアガベの使用が認められ、果物やチリ、虫や肉を入れて蒸留することもあり、味わいの幅広さは想像以上。材料のアガベを燻してつくることも多く、スモーキーな風味もその魅力だ。
「ショットで飲むのではなく、ハイボールにすると、素晴らしい食中酒になります。ゆっくり味わって飲みましょう(笑)。特有の風味、スモーキーさは料理を引き立ててくれます。枝豆にスパイスを効かせたら、抜群の相性に私も驚きました」(平野さん)
レシピ1:枝豆のスパイス風味
クミンと黒こしょうを効かせた枝豆。少なめの水に塩とスパイスを加えて蒸しゆですることによって、枝豆にピシッと味が染みこむ。
<材料 2~3人分>
枝豆1袋(250g)、クミンシード小さじ1、塩・粗挽き黒こしょう各適量
<作り方>
1 枝豆は粗塩をまぶし、ざるにこすりつけるようにしてうぶ毛をとるように洗う。
2 鍋に1、水1/2カップ、塩小さじ2、クミンシード(粒)小さじ1を入れ、ふたをして火にかけ、沸騰したら弱火にして5分蒸しゆでにする。
3 ゆであがったら、ざるにあけて水切りをし、仕上げの塩(フルール・ド・セルなど)、粗挽き黒こしょう適量をふる。
レシピ2:枝豆のキーマカレー
枝豆の歯応え、スパイス、香菜の香り。短時間で作れるカレーなのに、この奥深さは、やみつき必至。
<材料 4人分>
合い挽き肉250g、枝豆1袋(250g)、香菜1束(3茎)、玉ねぎ(中)1個、にんにく・しょうが各1かけ、カレー粉大さじ1と1/2、トマトペースト大さじ2、水1/3カップ、サラダオイル大さじ1、塩小さじ1、こしょう・好みのスパイス(ガラムマサラなど)各適量
<作り方>
1 枝豆は塩ゆでして、さやから出しておく。香菜の根っこはみじん切り、茎と葉は1センチ程度の長さに切る。玉ねぎ、にんにく、しょうがはみじん切りにする。
2 鍋にサラダ油、香菜の根っこ、にんにく、しょうがを入れて熱し、香りが出てきたら玉ねぎを入れて、塩をふって玉ねぎがしんなりするまで炒める。
3 ひき肉、カレー粉を入れて炒め合わせる。色が変わったら、トマトペースト、塩、水を加えて5分煮る。香菜、枝豆を加えてさらに5分煮、塩、こしょう、仕上げにスパイスを加えてで味をととのえる。ごはんとともに器に盛る。
【今月のお酒セレクト:アガベ・デ・コルテス レポサド 】
伝統のあるプレミアムメスカルの作り手。フルーツのような香りやスパイシーさもあり、樽で熟成させたまろやかな風味だ。「メスカルやテキーラはメキシコ料理だけではなく、和食やエスニック料理にもよく合います。餃子との相性も最高です。テキーラバーを経営している友人は、お鮨と合わせて楽しんでいるそうですよ」(平野さん)
ずっと身近に置きたい一冊──平野由希子さんの新著が発売!
平野さんが、これまでの書籍では伝えきれなかった料理の原点をまとめた新著『ma cuisine おいしさの引き出し方』が好評発売中。「春夏秋冬野菜のことを思い続けている」「肉料理はつくれば作るほど、上手くなる」といった心に響く言葉とともに、野菜料理、肉料理、揚げ物、魚料理など約70品がずらり。家庭のキッチンでとびきりおいしく作るコツ、さらに調理のしやすさも追求した極上のレシピは、時代の流行に左右されない一生もの。まるで食材とお料理へのラブレターのような、ずっと身近に置いておきたい一冊だ。
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
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