BY YUKIKO HIRANO

ホップを使ったワインで、芽キャベツのおいしさ倍増
ミニチュアキャベツのような芽キャベツ。キャベツの若芽と思われがちだが、茎の葉の付け根に生える脇芽が結球したもので、1株に50個ほど実る。ビタミンCやカロテンなどの栄養価はキャベツ以上に高い。「可愛らしい見た目と色なので、クリームシチューやスープに丸ごと入れるなどの使い方をされることが多いのですが、それだと芽キャベツの真価は発揮されないように思います。焼き色をこんがりとつける、黒くなるくらいまで揚げる、というように調理するとびっくりするくらいおいしくなります。さらにその味を引き立てるために、今回はホップを使った白ワインを選びました。ホップ由来の苦味がワインに複雑味を与え、芽キャベツにぴたりとはまるペアリングです」(平野さん)
レシピ1:芽キャベツの鍋蒸し焼き
こんがりと焼き、厚手の鍋で蒸し焼きにすることで、芽キャベツは甘く、濃厚な風味に。

バターとアンチョビが染み込んだ味わい。ほろ苦さのある白ワインがぴったり
<材料2人分>
芽キャベツ10個、にんにく1かけ、アンチョビ2枚、バター20g塩、こしょう
<作り方>
1 芽キャベツを縦半分に切る。にんにくは半分に切ってつぶす。アンチョビは粗みじん切りにする。
2 鍋にバター、にんにく、芽キャベツの断面を入れて中火にかける。塩少々をふり、芽キャベツに焼き色がつくまで2〜3分焼き、かえす。
3 にんにくが焦げてきたらキャベツの上に載せて、これ以上焦げないようにする。水大さじ2を加えてふたをして弱火で3分ほど蒸し煮にする。
4 水分がほとんどなくなり、芽キャベツが柔らかくなったら、アンチョビを加えて炒め合わせ、水分を飛ばす。塩、こしょうで調味する。

切り口は、しっかり焼くと甘みが増す
芽キャベツの素揚げ
芽キャベツの一番おいしい食べ方はこれ。まわりはさサクサク、中はジューシーで止まらない味に。

「まっ黒くなっちゃった」というぐらいまで揚げるのがポイント
<材料 2人分>
芽キャベツ7〜8個、塩小さじ1/2
A [クミンシード(粒、パウダーの両方)合わせて小さじ1/3、塩小さじ1/3]
揚げ油適量
<作り方>
1 芽キャベツはお尻のところを十字に切り込みを入れる。
2 160〜70度の油でこんがりと色づくまで、5〜6分かけてじっくり揚げる。
3 Aを混ぜ合わせたものを添える。

油がはねることがあるので、油はね防止ネットを使うといい
【今月のお酒セレクト:ストボドネ・ヴィナルストヴォ ホッペラ 2022】

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO
こちらはスロヴァキアのオレンジワイン。ソーヴィニヨンブランの発酵果汁にドメーヌ&周辺に生えている野生のホップを加えて7日間の醸しを施したもの。「ソーヴィニヨンブランの醸しワインは野菜料理にぴったりなのですが、そこにホップの風味が加わり、心地よい複雑味。なんてセンスのいいつくり手なのだろうと思います。芽キャベツや山菜料理を合わせたら止まりませんよ」(平野さん)
平野由希子さんがナチュラルワインの定期便を開始!

平野由希子さんが主宰する料理教室cusine et vin が、ナチュラルワインの定期便コースを開始。隔月にワイン5~6 本、もしくは3本のスパークリングワインが届くメンバーシップコースで構成。お届けするワインにはどんな料理が合うか、などの情報も一緒に送ってくれる。
「空前のナチュラルワインブームですが、自分で選べないという方も多くいます。不安定な部分もあるナチュラルワインはワインの状態、ボトルを空けるタイミングもとても大切です。私とスタッフが試飲をして心からおいしいと思ったワインだけをセレクトしてお届けします」と平野さん。
「週末ごはん会に合うワインを選んでほしい」「ナチュラルな野菜料理に合うワインが飲みたい」などのリクエストにもお応えできるオーダーメード感覚のコースを目指しているのだそう。
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
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