RECEPI BY TOMOKO NAGAO, PHOTOGRAPHS BY TAKAKO HIROSE, TEXT BY MIKA KITAMURA

長ねぎの甘みが生きた冬のスープ。調味料は塩と生姜、オリーブオイル。スパイシーな牡蠣を添えれば、贅沢な一品に
「長ねぎを丸ごと1本、無駄なく使う」
長ねぎと牡蠣のおいしい季節に作ってほしいスープ。長ねぎの青い部分も使い、1本丸ごと食べ切りましょう。
スープをおいしく仕上げるコツは、白い部分と青い部分を時間差で投入すること。長ねぎをぶつ切りにすることで食べ応えのある一品に。
「シンプルな仕立てだから三段活用も」
牡蠣を添えればメインディッシュに。さらにキヌアなどの雑穀を添えればボリュームのあるひと皿料理に。雑穀はもちきび、押し麦、大麦などお好みで。スープ、主菜、ひと皿料理とTPOに合わせて活用できる。
ターメリック、クミン、コリアンダー。お持ちではないかもしれない。「スパイスは何種類も持つ必要はないのですが、この3種類に赤唐辛子粉を足せば、カレーの基本の味になります。単独でもさまざまな料理に使えるので、この3種は揃えておくと重宝しますよ」
<材料4人分>
長ねぎ 2本 2.5cmのぶつ切り
牡蠣 12個 塩をもみ込み、流水で洗う
ターメリックパウダー 小さじ1/2
クミンシード 小さじ1/2
コリアンダーパウダー 小さじ1/2
生姜(すりおろし) 小さじ山盛り1
キヌア 約50g お湯に塩少々を加えて13分ほどゆでて水気を切る
オリーブオイル 約大さじ2
ローリエ 2枚
薄力粉 約大さじ2
塩 少々

長ねぎは、濃い緑の部分を残し、残りを鍋に入れる。ローリエ、塩少々を入れ、ひたひたに水を注ぎ、中火にかける。煮立ったら火を弱めて蓋をし、20~25分煮る

すり鉢にスパイス類を入れ、クミンが粗く砕けるくらいまでする。牡蠣はキッチンペーパーで水気をしっかりふいて薄力粉をまぶす。小振りなら個数を増やしても

長ねぎがやわらかく煮えたら、残しておいた青い部分と生姜、オリーブオイル小さじ1を入れ、長ねぎがかぶるくらいの水を足す。蓋をして静かに煮込む。途中、水分が減ったら適宜足し、味を見て塩を足す

フライパンに残りのオリーブオイルを入れて弱火で温め、牡蠣を並べ入れる。中火にして蓋をする。下の面に軽く焼き色がついたら上下を返し、スパイス類を振る。さらに上下を返して全体にからめて火を止める。スパイスは焦げやすいので、仕上げにからめるように仕上げる

牡蠣とキヌアをそれぞれ器に盛る。スープを器に盛り、キヌアと牡蠣を添える
「主食とスープさえあれば安心ですね。まずは自分のために作るのが大切なんだと思います」。自分のための料理は、自らの身体と心を支えてくれる。長ねぎ1本あれば、大満足のスープ。冬の寒い日の拠りどころになりそう。

長尾智子
フードコーディネーター。書籍や雑誌の執筆、食品や器の企画やディレクションほか、食にまつわる提案を手がける。『料理の時間』(朝日新聞出版)、『ティーとアペロ お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ』(柴田書店)ほか、著書多数。自らの目で選ぶオンラインストアSOUP(https://soup-s.shop/)も好評。
公式サイトはこちら
公式インスタグラムはこちら
▼あわせて読みたいおすすめ記事