BY YUKIKO HIRANO

爽やかなラングドックの白で、初夏のズッキーニ料理が極上のごちそうに
きゅうり、なすと並ぶ夏の定番野菜となったズッキーニ。実はかぼちゃの一種で、イタリア語では「小さなかぼちゃ」という意味を持つ。開花後1週間程度の未熟果を収穫して食べる。「淡白な味わいなので、どんな料理にも使いやすいですね。焼いても、煮ても、揚げても、生でもいい。今回は、白ワインが飲みたい日のズッキーニレシピ。にんにく、ハーブ、オリーブオイル、バターを合わせてワインがすすむズッキーニ料理を作りました。ズッキーニが1本あれば、ごちそうができますよ」(平野さん)
レシピ1:ズッキーニのハーブパン粉焼き
切って和えて焼くだけの簡単レシピ。ジューシーなズッキーニがクリスピーなパン粉をまとった一品。爽やかな白ワインを合わせれば気分も上々!

仕上げにレモンをぎゅっと絞っても
<材料 2~3人分>
ズッキーニ1本、にんにく1かけ、タイム3〜4枝
A [オリーブオイル大さじ2、乾燥パン粉大さじ2、パルミジャーノチーズ大さじ2、塩、こしょう]
<作り方>
1 ズッキーニを7〜8ミリの輪切りにする。にんにくはみじん切りにする。
2 ボウルに1を入れ、タイムの葉をしごいてボウルに加える。さらにAを加えて混ぜる。
3 耐熱皿に2を入れて、予熱した180度のオーブンで30分焼く。
ズッキーニのステーキ
じっくり焼いたズッキーニは、ごちそう級の存在感。香ばしいレモンバターソースが染み込み、リッチな味わいに。

表面はこんがり、中はジューシー。ステーキと呼ぶにふさわしい野菜料理だ
<材料 2人分>
ズッキーニ1本(200g)、塩3g、オリーブオイル大さじ1、バター20g、レモン汁大さじ1/2
<作り方>
1 ズッキーニは縦半分に切り、切り口に格子状に切り目を入れて、塩をして30分置く。握るようにして水気を軽く絞り、表面の水気を拭く。絞った水分はとっておく。
2 フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、切り口を下にして、10〜12分、弱火でしっかりとした焼き色がつくまで焼く。ひっくり返し、反対側は2〜3分焼く。皿に盛り付ける。
3 フライパンにバターを加えて熱し、ふわっと泡立ち、その泡が消えたところでレモン汁小さじ2、1のズッキーニの汁を加えて火を止め、ズッキーニにかける。

塩をふって水分を出し、じっくり焼くのがポイント
【今月のお酒セレクト:レ・ヴァン・モン・ヴァル プティット・ソヴァージュ2022】

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO
カリニャン・ブラン100%の白ワイン。カリニャン・ブラン種は地中海特有の希少な品種。ラングドック地方の、わずか250ヘクタールのみで栽培されているという。「フレッシュな口当たりで、丸みのある味わい。伸び伸びとした気分になれるような白ワインです。レモンバターの風味との相性は格別。夏野菜料理のある食卓を爽やかに、心地良くしてくれるワインですね」(平野さん)。
平野由希子さんがナチュラルワインの定期便を開始!

平野由希子さんが主宰する料理教室cusine et vin が、ナチュラルワインの定期便コースを開始。隔月にワイン5~6 本、もしくは3本のスパークリングワインが届くメンバーシップコースで構成。お届けするワインにはどんな料理が合うか、などの情報も一緒に送ってくれる。
「空前のナチュラルワインブームですが、自分で選べないという方も多くいます。不安定な部分もあるナチュラルワインはワインの状態、ボトルを空けるタイミングもとても大切です。私とスタッフが試飲をして心からおいしいと思ったワインだけをセレクトしてお届けします」と平野さん。
「週末ごはん会に合うワインを選んでほしい」「ナチュラルな野菜料理に合うワインが飲みたい」などのリクエストにもお応えできるオーダーメード感覚のコースを目指しているのだそう。
猫と旅した南仏での3週間を詰め込んだ、平野さんの新著が発売中
「カブルスピーヌ村は、南仏にある人口100人ほどの小さな村。カフェもなければスーパーもパン屋もない。何にもないけど、雄大な自然とたくさんの猫に出会える美しいところ。そんな村を愛猫クミンとともに訪問してみた」ーー
平野由希子さんが、愛猫のクミン君とともに訪れた南フランスでの3週間。築1000年の石造り古民家に滞在しながら、羊肉料理やカスレ、朝どれのさやいんげんサラダなど、新鮮な素材を使った絶品料理に舌鼓を打ち、地元の人々や近所の猫と触れ合い、自然豊かな田舎を満喫する、まるで夢のような時間を詰め込んだ一冊。ペットとともに飛行機旅をするための役に立つ情報も満載!

『南フランス 猫と旅する美しい村<私のとっておき>シリーズ50』
著者:平野 由希子
¥2,090
産業編集センター刊
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
公式サイトはこちら
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