かつては日本から本場の料理を学びに欧州へーー。やがて世界各地から日本の食文化を学びに料理人が訪れるようになり、時を得ていま、ボーダーレスかつ洗練を極めた料理が出現し、新潮流に。

BY MIKA KITAMURA, PHOTOGRAPH BY MASAHIRO GODA

 昨年オープンした西麻布「氣分」では、フランス人シェフ、ユーゴ・ペレ=ガリックスがカウンターで腕を振るう。15歳で料理の道に入り、24歳で日本へ。もともと日本料理に興味があり、ネットで「特定伝統料理海外普及事業」の募集を知った。日本の食文化の発展のために活動する「日本料理アカデミー」と京都市による、外国人が京都の料理店で働きながら日本料理を学ぶ制度だ。第1期生として京都「菊乃井本店」で2年間、料理の技術はもちろん、京料理の心をみっちり学んだ。特に習得したかった魚の調理技術は、京都の鮮魚店に頼み込み、締め方と捌さばき方を習得。そんな技を駆使し、「氣分」のコースの前半は日本料理の要素が強く、後半はモダンフレンチとなる。日本の食文化と料理技術を学びに世界各地から料理人が訪れ、新しい料理が生まれる。「究極のボーダーレス」な料理が花開く時代になった。

季節ごとの棒鮨をコースの前半に。鯖が多いが、鰯や鯛なども使う。鯖は塩で締めること3 時間、酢は1 時間ほど。持ち帰りを想定していないのでフレッシュ感があり、甘さ控えめの上品な酢飯となじむ。

画像: 素材の中で一番好きな鱧(はも)。夏は鱧料理が必ず登場。

素材の中で一番好きな鱧(はも)。夏は鱧料理が必ず登場。

ユーゴシェフ。毎朝、豊洲へ通い、9時には店に。

ユーゴ・ペレ=ガリックス
フランス出身。2015年に来日し、京都「菊乃井本店」で学ぶ。2017年、東京・銀座のフランス料理店「エスキス」へ、2020年に同店料理長。2024年、「氣分」料理長。

氣分
住所:東京都港区西麻布4-11-28-2F
TEL.03-6433-5063 
営業:19時〜
休日:日曜・不定休
※完全予約制

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