TEXT & PHOTOGRAPHS BY MARI KATSURA
最近出合ったのが、素材の良さを昔ながらのシンプルな方法やアプローチで引き出すお店。薪火料理、土器料理、江戸料理。目新しくもあるけれど、細胞が知っているおいしさでいっぱいだ。
songbookの薪火料理
茅場町の人気ビストロ「Neki」の西恭平シェフ。彼が昨年11月に世田谷代田にオープンした新たな店も話題に。曲線を描くカウンターとテーブル席がふたつの、穏やかな時間が流れるスタイリッシュな薪火料理のレストランだ。生産者の思いを乗せた、素材そのもののおいしさが伝わるサラダから、ピッツァ職人の焼き上げるピッツァやバスクチーズケーキなどのデザートまで、薪の奏でる音にも耳を傾けて味わいたい、味覚がリセットされるような実直で美しい料理の数々が待っている。メニュー選びもわくわくする、温かくて心地のいい、通いたくなる店だ。
songbook
住所:東京都世田谷区代田5-10-7 1F
TEL. 03-6453-1982
営業時間:12:00~14:30 、17:00〜22:00
定休日:水曜、不定休
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SAIMEの土器料理
料理の起源、原点でもある土器を使った調理で、おいしさを追求するこの店は4月にオープンしたばかり。カウンター席のみで、ずらりと並んだ様々な形の土器や炉が、知らなかった世界にタイムスリップさせてくれる。畑と海の味をそのままに、飾らず豊かな食材の可能性を引き出していて、目から鱗の白眉は大豆!土器の中でも火の当たる部分、蒸される部分などがあり、味わいが異なり奥深さが生まれる。そして、デザートのわらび餅も手抜かりなく美味!心も温まる土器料理、ぜひ体験してみて。
SAIME
住所:東京都新宿区納戸町33 ガーデンヒルズ市ヶ谷1F
営業時間:18:00〜21:00(予約制)、21:00〜23:00はバータイム
定休日:日曜日
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「江戸料理 一石三鳥」の江戸料理
7月11日に西麻布にオープンした江戸料理の店。食材に恵まれた日本を再発見すると同時に、江戸時代から変わらないであろう心の温もりにも配慮した美味が堪能できる。素材の持ち味を優先し、手間と工夫で仕上げる江戸料理は見目麗しく、どっしりとした炉でじっくり焼き上げた鮎や鴨もインパクトあり。カウンター席と個室があり、カウンター席もジグザクでゆったりとしているので居心地がいい。和装割引もあるので、着物会にもおすすめ。ドリンクメニューも目の前で仕上げてくれて、江戸料理を楽しく体感できる空間だ。
江戸料理 一石三鳥
住所:東京都港区西麻布1-8-12 ARISTO虎ノ門 西麻布1F
TEL. 03-6434-9495
営業時間:17:00~23:00(火・水・木・土・日)、17:00~3:00(金)
定休日:月曜
桂まり
雑誌「SPUR」「eclat」などで、フード&トラベル、インタビュー記事を担当するライター。趣味は世界各国で料理教室に行くこと。温泉保養士。Instagramはこちら