TEXT & PHOTOGRAPHS BY MARI KATSURA
日本三景のひとつで、パワースポットとしても親しまれてきた宮島の厳島神社。瀬戸内海を挟む対岸に、3月28日に薪火料理が自慢のHOTEL FORK & KNIFE Miyajimaがオープン。さっそく大好物の美味の待つ宿を目指した。

広島といえば、牡蠣! 発酵レモンと松塩、チチヤスヨーグルトプリン
石浜綾シェフ監修の”広島料理”
“文化と食と表現を通して、この土地を静かに理解する場所”を目指す宿、HOTEL FORK & KNIFE。宮島に誕生した全34室のそのホテルを訪れると、囲炉裏を囲むバーララウンジが静かに迎えてくれる。旅の目的にしたいのが、ミネラル豊かな瀬戸内の海の幸、山の幸を、渋谷の人気ビストロ「PEZ」のオーナーシェフ・石浜綾が監修したローカルガストロノミーだ。この日のディナーは、飛龍頭入りの焼いた白菜と一番出汁のすり流しから始まった。薪火で焼いて甘味を増した旬のカブのみずみずしさに感激。石浜シェフの個性と技で真牡蠣や、こだわりの茶碗蒸し、そしてメイン料理からも、シンプルながらもダイレクトにおいしさが沁みてくる。日本三大酒処でもある広島ならではの、お酒のペアリングももちろん堪能できる。

薪火と料理の焼きあがりや仕上げの様子も楽しめるカウンター席にて。石浜綾シェフがこだわっているフラン、茶碗蒸し。ながみねファームの卵、鯛の骨からとった出汁と親鳥の出汁、わさび菜、春菊、ハーブ

約130日という、通常の数倍の日数で飼育される“東広島のこい地鶏”を薪火で焼き、くろもじ塩、レモン胡椒などでいただく。弾力があり、深い味わいが広がる

いりこと白醤油を塗って焼いた真鯛に女鹿平舞茸添え。たたきのように焼きあげるので格別の香ばしさが

広島牛は、キャラメルのような黒ニンニクのピューレと

宮島といえば穴子飯。ほうじ茶と炊いている

いがもちカモミール。白餡とみかん。おいしいに決まってる! このあと、茶菓子淡雪が続き、こちらは広島・三次の和菓子インスパイアのデザートだった

気分があがるカウンター席の目の前の薪火
朝食も迷わず和食を選んで
土鍋で炊いたつやつやのご飯がおいしいので、朝食は迷わず和食を選んでほしい。瀬戸内ちりめん山椒の美味しいこと! この日の焼き魚、天然さわらのゆず味噌遊庵焼きは、ふっくら身が厚く口福。穴子の茶碗蒸し、カルパッチョのようなお刺身は、その日の鮮魚を取り入れ、祇園パセリなどを添えた一皿。ご飯のおかわり必至。

さつまいもレモンもマイタイプ!な和定食

厨房で精米した藤本農園の特選米あきさかりを土鍋で

300年ほど前から伝統工芸品として知られる、縁起物としても人気の美しい宮島しゃもじ

自然光でいっぱいのレストラン
この地ならではのアクティビティ
さらに、ここに宿泊するからこそできるアクティビティも。今回は鹿たちが眠りに(つくころに厳島神社のライトアップを見に夜散策に出かけたり、島田水産のかき水揚げ体験も予約できた――屋形船で水揚げを見学したのち、朝の海上からの厳島神社参拝までできて感動!――干満の差が激しいのもおいしい牡蠣が育つ理由だと、フランス・ブルターニュ地方のカンカルでも聞いたことがある。馬の走る速さで満ち引きするとそのときは言っていたが、この大野瀬戸は満ち引きの速さと、やはり山からのミネラルが格別だという。

高さ約16メートルの大鳥居は、自らの重みだけで立っているのだそう

10メートルある垂下連をクレーンのついた船で収穫する。島田水産には焼きがきなどが人気のかき小屋も併設している

ライトアップされた大鳥居
この日は、客室を使って、陶芸家で茶人の山田翔太氏による「みたて茶会」も特別に開催された。カジュアルにお茶とお話を楽しめて、びっくりするほどクリーミーなおいしいお茶と、この地の和菓子で癒しの時間を経験することができた。

茶人の山田翔太氏。この日のお茶は鹿児島・霧島の有機抹茶
到着からチェックアウトまでゆっくり過ごせ、好奇心も満たしてくれるショップやスタディー、デッキチェアの並ぶ広々としたテラスもあるのでパワースポットの海風を堪能できる。

バーラウンジで、ウェルカムドリンクの広島のレモンが香る冷たいお茶をいただく

明るく落ち着くインテリア。アメニティはuka、スピーカーも日本のCear(シーイヤー)パヴェが配されている。部屋タイプはいくつかあり、スイートルームもある

5階のTHERMAL SPRINGのテラスから大鳥居を見渡す。朝日も神々しく美しい。宮浜温泉から運んだ温泉とサウナがある

宿泊客以外も利用できる2階のエントランス近くにあるSHOP 「ref.Miyajima」。中本健吾氏の広島発セレクトショップ「ref.」が出店。千羽鶴のリサイクル紙で作った扇子など、興味深いもので溢れる

1階のTHE STUDY:『Hiroshima 1958』が自由に閲覧できる。フランスの女優エマニュエル・リヴァによる写真集。アマチュアの写真とは思えない印象的な写真が収まる

館内のいたるところに、日本の書や陶芸、日本画などの作品もありまるでギャラリーのよう。大きな広島の提灯もフワフワと揺れる
HOTEL FORK & KNIFE Miyajima(ホテル フォーク アンド ナイフ ミヤジマ)
住所: 広島県廿日市市宮島口3丁目3-15
公式サイトはこちら
桂まり
雑誌「SPUR」「eclat」などで、フード&トラベル、インタビュー記事を担当するライター。趣味は世界各国で料理教室に行くこと。温泉保養士。Instagramはこちら
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