BY YUMIKO TAKAYAMA, PHOTOGRAPHS BY MIDORI YAMASHITA
「豚耳と豚足の煮こごり」は繊細で、「伊達鶏の紹興酒漬け」の身はしっとりシルクのよう。一皿一皿食べるにつれ、その丁寧な仕事に唸らされる。4月にオープンした「サエキ飯店」の店主、佐伯悠太郎さんは「聘珍樓」や「福臨門酒家」「赤坂離宮」といった名だたる中華料理店を経て、香港や広東省でも研鑽を積んだ経験の持ち主。「おいしい料理と酒、会話が気軽に楽しめる店がつくりたかった」と、店内はカウンター中心のカジュアルな造り。けれども毎日、金華ハムや鶏、豚肉などを7時間以上煮て極上の上湯を仕込むなど、料理の手間は高級店顔負けで、シンプルながらも滋味深い広東料理がベースだ。

おまかせコースの定番、上湯仕立ての「担々麺」と「伊達鶏の紹興酒漬け」(おまかせ ¥8,000〜)。日替わり料理も。ジョージア産の皮ごと搾ったうま味の濃い白ワインと好相性。グラスワイン ¥1,000〜。稀少な紹興酒もあり
「中華というジャンルに縛られず、自分がおいしいと思った料理を作りたい」と佐伯さん。香港のクラフトビール鬼佬IPAやジョージア産中心のワインも料理との相性が抜群。冬は火鍋や牡蠣上湯鍋を構想中だと話すそばから、待ちきれない。

カウンター8席、テーブル4席の小さな店
サエキ飯店
住所:東京都目黒区三田2-10-30 荒井ビル1F
営業時間:18:00〜21:30(最終入店)
不定休
電話:03(6303)4735
詳細はFecebookにて