四角いケースに丸いフェイス。一目でわかるデザインコードはそのままに、よりモダンにアップデートされた新作が登場

BY NANCY HASS, PHOTOGRAPH BY DAVID CHOW, STYLED BY TODD KNOPKE, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

 上質な時計作りとは究極のアナログ・アートであり、歴史を内包する(そして歴史に執着する)ということだ。時計メーカーは、「精密な手作業」という100年も昔の物語を拠りどころにしていて、ときにそれは、アルプスの小さな村でひとりの職人が手作業で時計を作っていた時代にまでさかのぼることもある。新しいデザインが、過去の定番モデルを思い出させることもしばしばだ。チクタクと時を刻み続ける秒針と同様に、自社のアーカイブを参照するサイクルは、常に繰り返されてゆく。だが、1994年にベル&ロスを立ち上げた二人のフランス人(本社はパリにあるが、製造拠点はスイスのラ・ショー=ド=フォンだ)、ブルーノ・ベラミッシュとカルロス・ロシロは、ひるむことなくゼロからスタートした。

画像: 「BR05 GOLD」¥3,700,000

「BR05 GOLD」¥3,700,000

 彼らはまず、パイロットやダイバー用の時計から作り始めた。シグネチャーである四角形の中に円を配したフェイスは、四隅をビスで留めてある。円形の文字盤はヴィンテージ風であり、数字は太く読みやすい。今、この比較的新しい時計ブランドのデザインは、新たな領域へ向かおうとしている。新作の腕時計は洗練された流線型の40mm径で、円い文字盤が収まるスクエアパーツは改良され、シームレスにメタルバンドへとつながっている。サテン仕上げの文字盤はブラック、グレー、ブルー、スケルトンがあり、本体はステンレススチールとローズゴールド(写真)の2種。文字盤はくっきりと読みやすく、装飾や複雑さをそぎ落としたきわめてモダンな腕時計だ。歴史は常に作られ続けるという、確たる証拠がここにある。

問い合わせ先
ベル&ロス ジャパン
TEL. 03(5977)7759

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