BY MASANOBU MATSUMOTO
アメリカを代表する女性彫刻家で、モダンアート史にその名を大きく残したルイーズ・ネヴェルソン。セリーヌは「アーティスト ジュエリー プログラム」として彼女の作品を再解釈したジュエリーを発表。12月よりセリーヌ表参道とセリーヌ銀座の2店舗で限定販売している。
ルイーズ・ネヴェルソンは、“アッサンブラージュ(寄せ集め)”という現代アートの手法で知られる作家で、抽象的な彫刻やインスタレーション作品を遺した。キャリアの土台を確立させたのは、1957年に発表した「黒い箱」シリーズ。捨てられた家具や破棄された日用品などの断片をパズルのように木箱に配置し、全体を黒くペイントした作品で、ネヴェルソンはのちに、この箱をいくつも積み上げ、祭壇のようなインスタレーションへと発展させていった。
セリーヌによるジュエリーは、その「黒い箱」シリーズに着想を得ているようだ。ベースは黒いウッド。ヴェルメイユとシルバーの装飾は、とりわけ初期の作品において、ネヴェルソンが箱のなかに収めたモチーフを連想させる。力強い存在感と曲線的なモチーフのナイーブさ。そのコントラストもネヴェルソンの美学に通じるものがある。
ネヴェルソンは生前「私の作品は繊細です。頑丈に見えますが、繊細なのです」と言い「真の強さとは繊細なもの」だと語った。また、自身の自由な装いも注目され、特に自作のジュエリーは、彼女の堂々としたスタイルの証でもあった。彼女のエッセンスを新たなかたちで表したセリーヌのジュエリーは、本当の強さ、自身の力でアートの道を切り開いていったネヴェルソンのパワフルな精神を装う者に宿す。
問い合わせ先
セリーヌ ジャパン
TEL. 03(5414)1401
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