1950年代から60年代にかけて、リチャード・アヴェドンやアーヴィン・ペン、ウイリアム・クラインらとともにファッション写真の黄金期を築いたフォトグラファー、フランク・ホーヴァット。彼の展覧会が、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開かれる。ホーヴァットは今年90歳。写真史にその名を残す存命中の巨匠でありながら、意外にも、日本国内での本格的な個展はこれが初めてとなる。



QUAI DU LOUVRE, COUPLE, 1955, PARIS, FRANCE © FRANK HORVAT



 もともとホーヴァットは、フォトジャーナリズムに傾倒した人間主義的作風のカメラマンだった。インドやパキスタン、イギリスを旅しながら捉えたドキュメンタリー写真や家族や友人のスナップを、当時の雑誌『ピクチャー・ポスト』『パリ・マッチ』『ライフ』などに寄稿している。主題を大きく転換したのは、1954年、拠点をパリに移してから。オートクチュール全盛期のパリの様相と、そこに生きる女性たちの姿に魅了され、ホーヴァットはファッション・フォトグラファーとしての仕事に注力していったという。


 バックグラウンドを活かしたルポールタージュ的な撮影方法、映画やアートへのオマージュを込めた知的でユーモラスなビジュアル表現は、ファッションフォトのジャンルに新風をもたらし、ホーヴァットは名だたるモード誌の誌面を飾り続けた。移り変わるモードの世界に身を寄せながら、彼は、常に新しい女性像を作り上げてきたとも言える。



FOR “STERN”, SHOES AND EIFFEL TOWER, 1974, PARIS, FRANCE © FRANK HORVAT



DANCING COUPLE,1963, RIO DE JANEIRO, BRAZIL © FRANK HORVAT



 また70年代以降、ホーヴァットは、動物である人間と植物の根源的な違いをテーマにした“樹木のポートレイト”や、印象派の美術家エドワード・ドガの彫刻をモデルに見立てた作品の制作など、商業的なファッション写真以外の、私的なアートフォトプロジェクトにも力を注いだことでも知られている。


 今回の展覧会は、“女性”をテーマに、往年のファッション写真に加え、初期のジャーナリスティックな作品や実験的なアート写真も展示される。ファッション、ドキュメンタリー、アート……ひとりの写真家のさまざまな視点が映しだす多様な女性像は、いまもなお豊かなインスピレーションを与えてくれる。



WALNUT TREE,1976, DORDOGNE, FRANCE © FRANK HORVAT




フランク ホーヴァット写真展 Un moment d’une femme


会場:シャネル・ネクサス・ホール

住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F

会期:2018年1月17日(水)~2月18日(日)

開館時間:12:00~20:00

入場料:無料

電話: 03(3779)4001

公式サイト






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