いま、東京で食べるべきは断然、中国料理である、と語る自称"タベアルキスト"のマッキー牧元氏。中国辺境のユニークな料理を日本人向けに提供する白金『蓮香』や代々木上原『Matsushima』、30品もの小皿料理が堪能できる『虎峰』、モダンな店内で軽快な料理を楽しむ『ミモザ』など、料理やサービスが劇的に変化し、従来のイメージを覆す中国料理の店が次々と開店しているという。未知の味との出会いが待つ注目の中国料理店、連載最終回となる今回は、代々木上原のカウンター中国料理と、これからの四川料理界をしょって立つ期待のホープを紹介する。






 四川料理なら、代々木上原「虞妃(ユイフェイ)」がいい。こちらもカウンター中心の店を、二人で切り盛りされている。


 前菜なら季節の春巻きを頼みたい。夏は鮎、春はサンマを使って作られる春巻きは、それぞれの魚の持ち味を閉じ込めて、香ばしい春巻きの皮に歯を入れた瞬間に、魚の甘みや苦みが放たれるという、魅力的な料理である。



季節の人気メニュー「サンマと四川ピクルスの春巻き」は

中までサクサク、パリパリ



 じつはこの料理、皮の巻き方と揚げ方に技がある。ふんわりと包み、時間をかけて揚げることによって、皮の軽やかな食感が生まれるのである。


 佐藤シェフは若いながら、こうした基本技術が確かで、手を抜かない。たとえば「ガツとネギのピリ辛炒め」も、ガツとねぎの切り方が見事に同寸で、それが料理の味わいを生かしている。



 四川料理の名物「よだれ鶏」は、香りの立たせ方がよく、油を多用していながら、油っぽさを微塵も感じさせない。また「ラム肉の麻辣煮込み」には四川で買いつけた唐辛子を使い、二種類用意された麻婆豆腐のうち、羊肉のほうは日本では入手できない年代ものの豆板醬を使って、味の奥行きを出している。



「ラム肉の麻辣煮込み」。

下ごしらえと技術の確かさが、真の四川料理の美味を生み出す



 あえて味つけを一般向けに抑えているものもあるので、お好きな方は「本場風で」と頼めば、佐藤シェフは喜んで作ってくれるだろう。






虞妃(ユイフェイ)


「いちばんおいしい状態で料理を提供できるのがカウンターのよさですね」と佐藤剛シェフ。看板ランチ ¥1,300、ランチコース ¥2,800。アラカルトのほか、コース¥6,000、¥10,000 (税込)


住所:東京都渋谷区上原1-17-14 LAビル1F

電話:03(6407)0217

営業時間:11:30〜14:30 (14:00 LO)、12:00〜 (土・日曜)、

     17:00~23:00 (22:00 LO)

定休日:水曜・第2火曜

公式サイト:https://yuifei.jimdo.com