自叙伝としてのオブジェ

OBJECTS AS AUTOBIOGRAPHY
熱狂的なコレクターであるデザイナーのジョナサン・アンダーソン。彼が情熱を注ぐオブジェの数々と、美の奇才の心の内

BY ALICE GREGORY

画像2: 自叙伝としてのオブジェ

「ルーシー・リーは20世紀を代表する陶芸家のひとり。僕は彼女の作品を何年もかけてコレクションしているんだ。初めて手に入れたのは、片側をつまんだようなデザインのサラダボウル。スグラッフィート(二色の層の表面を引っかいて下の色を出す「かき取り仕上げ」)技法のもので、僕が持っているのはこのカップ&ソーサーだけ。スグラッフィートの作品にはめったにお目にかかれないから。カップの重みや飲むときの感触が最高で、まさに完璧なエスプレッソ・カップさ。僕は毎日これを使っているよ」

画像3: 自叙伝としてのオブジェ

「英国のアーティスト、アンセア・ハミルトンのこの作品はどうしても手に入れたかったんだ。かごが下げられる2 個のブラケット(取りつけ用金具)、コーラスラインのあからさまなセックスアピール、それとは対照的な工業用っぽいねじ使いが気に入って。カーネーションをまっすぐ立てるための説明書もついていて、たまらないほど心をそそられる。僕はたいてい青いスクリーンを背景にこの作品を飾っている」

画像2: PHOTOGRAPHS BY NIGEL SHAFRAN

PHOTOGRAPHS BY NIGEL SHAFRAN

「これは画家セザンヌの経歴についての覚え書き。ヴァネッサ・ベル(ヴァージニア・ウルフの姉で画家・インテリアデザイナー)の住まいだったチャールストン・ファームハウスに所蔵されていたものだよ。彼女の子孫が売却して、ロンドンのディーラー経由で僕が入手した箱には、この覚え書きを含む40冊の本が入っていてね。ほかにはヴァージニア・ウルフの初版本や、大量のノートも含まれていた。この一冊は特別で、とにかく興味深い。クライヴ・ベル(ヴァネッサ・ベルの夫)がセザンヌに関する本を書くためにまとめたメモなんだけど、中にロジャー・フライ(画家・芸術批評家でヴァネッサの愛人)の浜辺でのヌード写真が挟まれていたんだ。僕はその後、ブルームズベリー・ブックフェアを見にチャールストン・ファームハウスに行き、そこでダンカン・グラント(画家でヴァネッサの別の愛人)やヴァネッサ・ベルや、ほかのみんなが写った一連のネガフィルムを購入したよ! あの頃のイギリスといったら、本当にロマンティックな時代だったね。こんなふうに、何かひとつに熱中して、それがほかの何かにつながっていくのが僕は本当に好きなんだ」

 

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