現代アート界の巨匠、ダミアン・ハーストの新作「桜」シリーズの日本初公開、感覚をテーマにした現代アート展、「家族」「記念写真」をテーマにしてきた浅田政志の大規模な個展。今週絶対に見るべき3つのエキシビションをピックアップ

BY MASANOBU MATSUMOTO

『ダミアン・ハースト 桜』|国立新美術館

画像: スタジオでのダミアン・ハースト PHOTOGRAPH BY PRUDENCE CUMING ASSOCIATES LTD © DAMIEN HIRST AND SCIENCE LTD. ALL RIGHTS RESERVED, DACS 2022

スタジオでのダミアン・ハースト
PHOTOGRAPH BY PRUDENCE CUMING ASSOCIATES LTD © DAMIEN HIRST AND SCIENCE LTD. ALL RIGHTS RESERVED, DACS 2022

 ホルマリン漬けにした牛の輪切り、8601個のダイヤモンドで覆ったスカルの彫刻、死んだ蝶の羽を使ったステンドグラス──。90年代以降、センセーショナルな作品で世界を沸かせてきた美術家ダミアン・ハーストの個展が国立新美術館で始まっている。

 出展作は「桜」シリーズ。2021年、カルティエ現代美術財団の個展で発表した最新作で、本展では107点からなる本シリーズのうちハースト自身が選んだ24点が会場を彩る。晴れやかなスカイブルーに、ピンクや白、なかには青や緑のドットで描かれた鮮やかな桜。カルティエ現代美術財団が公開した動画には、筆を大きく振って絵の具を画面に飛ばしたり、筆を長い棒の先につけて描いたりとアクション・ペインティングのようにキャンバスに対峙する姿も映されており、ポスト印象派や20世紀の抽象絵画といった西洋絵画史の要素を彼が独自に解釈したシリーズとも言える。美、そして生と死をテーマにしてきたハースト。春、美術館に彼が咲かせた桜の様相に人は何を思い浮かべるか。

『ダミアン・ハースト 桜』
会期:~5月23日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金・土曜は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜、ただし5月3日は開館
観覧料:一般 ¥1,500、大学生 ¥1,200、高校生¥600、中学生以下無料
電話:050(5541)8600(ハローダイヤル)
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『感覚の領域 今、「経験する」ということ』|国立国際美術館

画像: [参考図版]中原浩大《Text Book》1995年 ©KODAI NAKAHARA, PHOTOGRAPH BY SHIGEFUMI KATO, COURTESY OF GALLERY NOMART

[参考図版]中原浩大《Text Book》1995年
©KODAI NAKAHARA, PHOTOGRAPH BY SHIGEFUMI KATO, COURTESY OF GALLERY NOMART

 伊庭靖子、中原浩大、名和晃平、飯川雄大、今村源、大岩オスカール、藤原康博。長年、現代美術界で活躍し、地歩を築いてきた7人の作家を紹介する本展のキーワードは「現代アートがひらく多様な感覚」。「美術=視覚的な美を追求する芸術」という考え方を大きく更新し、身体を含めた全感覚的な体験をもたらすようになった現代アートの潮流を7人の作品で実感できる。たとえば、飯川雄大や今村源のように、全身の感覚を伴う身体的なもの。伊庭靖子、中原浩大、名和晃平のように瞼の内側に生起する生理的な反応を訴えかける作品。藤原康博、大岩オスカールのように記憶や想像力を動員する思考的なもの。

 出展作のほとんどが新作であること、また、難解なロジックや複雑なコンセプトに基づいたものではなく、感覚的な刺激、直感的な印象によって楽しめる作品も多いのも本展のポイントだ。それぞれ異なるアプローチで世界を感知してきた7人の作品。それを感じる、経験することでどのようなリアリティを得られるか。「感覚の実験室」のような展覧会でもある。

『感覚の領域 今、「経験する」ということ』
会期:〜5月22日(日)
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜(ただし、3月21日、5月2日は開館、3月22日は休館)
観覧料:一般 ¥1,200、大学生 ¥700、高校生以下・18歳未満無料
電話:06(6447)4680
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『浅田政志 だれかのベストアルバム』|水戸芸術館現代美術ギャラリー

画像: 『アルバムのチカラ』(2011-2021)より PHOTOGRAPH BY MASASHI ASADA

『アルバムのチカラ』(2011-2021)より
PHOTOGRAPH BY MASASHI ASADA

 浅田政志は、「家族」や「記念写真」をテーマに制作活動を展開してきた写真家だ。よく知られているのは、2008年に発表した「浅田家」シリーズ。自身の家族を消防士やラーメン屋、戦隊ヒーローなどに変装させて撮影した一風変わった家族写真で、写真集『浅田家』のあとがきには、家族が休みを合わせ、みんなでシーンや服装などを決めながら撮った、写真を通じてなんでもない日を記念日に変える作品でもあったと語っている。その後、他の家族を被写体にした作品、また東日本大震災後には、瓦礫の中から発見された写真やアルバムを洗浄し持ち主に返すという岩手県野田村でのボランティア活動に自ら参加しながら、同様の活動がされている他の地域も取材した「アルバムのチカラ」などを発表。こうした浅田の活動は、2021年に公開された映画『浅田家!』の着想源にもなった。

 水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催中の個展『浅田政志 だれかのベストアルバム』は、彼の初期作品から最新作まで、浅田が作品や家族の思い出について綴った言葉を交えながら紹介する。コロナ禍の隔離生活を経験した現代人にとって、浅田の写真、浅田が作品に託した写真の力は特別な意味をもって受け止められるに違いない。また会場内にはアーティストユニットmagmaとコラボレーションした撮影スポットも設置。カメラを片手に家族や大切な人と訪れ、この日を記念にしてみるのもよいだろう。

『浅田政志 だれかのベストアルバム』
会期:~5月8日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
開館時間:10:00〜18:00
※入場は17:30まで
休館日:月曜(ただし、3月21日は開館、3月22日は休館)
料金:一般 ¥900、70歳以上および高校生以下は無料
電話:029(227)8111
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※新型コロナウイルス感染予防に関する来館時の注意、最新情報は各施設の公式サイトを確認ください

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