今も、これからも、前向きな日々を送って欲しいと、大人世代にエールを送るようなヘアケアやスキンケアを提案している、美容ジャーナリスト・毛髪診断士の伊熊奈美さん。自身も仕事に子育てとフルスロットルで駆け抜けてきたが、50代に入るとこれまでとは違う、あらゆる不調に見舞われているという。そんな伊熊さんが、新たなアプローチを模索する中で出会ったヘアサロンやクリニックなど、大人にこそ訪れてほしい「メンテナンスアドレス」を実感ルポ。第1回は、ビタミンCサプリメント「Lypo-C」を開発したSPIC(スピック)と提携する「鎌倉元氣クリニック」へ

BY NAMI IKUMA

「なんとなく不調」を抱えて、鎌倉へ向かう

画像: クリニックは鶴岡八幡宮の参道沿いに。医療施設というより格式のある料亭のような空間

クリニックは鶴岡八幡宮の参道沿いに。医療施設というより格式のある料亭のような空間

 長年、不摂生でオーバーワーク気味な生活を送ってきた。更年期に入ってからは疲れやすかったり頭痛があったりと、何らかの不調を抱えているのがいつも気になっていた。どこかに相談したいと思ったとき、まず思い当たったのが「鎌倉元氣クリニック」だ。
 自分が相当な活性酸素発生マシンであることは自覚があるため、数年前から「Lypo-C」というビタミンCサプリメントを愛用している。リポソーム化された液体のビタミンCは体内への吸収率にこだわっていて、健康や美容のコンディション維持に手放せない存在だ。

 このようなサプリメントを日本で初めて世に送り出したのがこのクリニックを設立した柳澤厚生名誉院長。体に必要な栄養素を補い、細胞レベルで整える医学、オーソモレキュラー医学や、がん治療としての高濃度ビタミンC点滴療法を日本に広めた草分け的な存在でもある。
 ビタミンCと点滴が私を助けてくれそうな気がして、鎌倉のクリニックをたずねた。

今の自分の状態を知るために通う、統合医療クリニック

 初回はカウンセリングから。セラピールームのような診療室で、穏やかな笑顔の松村浩道院長にお会いした。最初に聞かれたのは、
「あなたはご自身を健康だと思いますか?」ということだった。

 うーん、病気をしているわけではないし、健診でもそれほど大きな問題はないのだが、決して健康とは思えない。でも、いったい何をもって健康というのだろうか。

画像: 院長の松村浩道先生。統合医療の視点から、“自立した健康”を支えている

院長の松村浩道先生。統合医療の視点から、“自立した健康”を支えている

 松村先生は健康の定義をWHO憲章から紐解いていった。
「WHOが1948年に“健康とは、完全な肉体的、精神的および社会的ウェルビーイングの状態であり、単に疾病や虚弱がないことではない”と定義したんです。そしてその50年後の1998年にはその定義に“dynamic(健康は変化していく動的なもの)”と“spirit(数値で捉えられない内面の領域も含む)” を改正案として補足しました」

 体に悪いところがなければ健康だと思ったらそうじゃない…そこまでは理解したが、どうもよくわからないという顔をしていたら、
「WHOの健康の概念をもっとシンプルに言い換えると、こういうことです」と松村先生。

・ボディ(身体)
・マインド(心の働き)
・スピリット(その人の価値観や生き方の領域)

「この三つを健康の三要素と捉えることができます。当院でおこなっている治療手段は、このボディ・マインド・スピリットを高める力をつけることなんです」と松村先生。

 今起きている病気を治療することも大切ではあるものの、このクリニックで注力するのはそうならないことに努める治療ということだ。
「たとえば、みなさんが健康を維持したい、健康だけどもっと健康になりたいから何かしてください、と求めても、日本の現在の保険治療では、悪いところがなければ何もすることができません。予防治療ができないんです。けれども、ボディ、マインド、スピリットを高めるために大切なのは病気の一次的な予防であり、“健康増進”です。ここではそれを自由診療で行っているんです」

画像: 初回のカウンセリングでは健康観を見直すための問いを受ける

初回のカウンセリングでは健康観を見直すための問いを受ける

 であれば、私が日々感じている”なんとなく不調”も十分このクリニックの対象範囲内ということだ。自由診療は保険診療に比べ高額になるが、サプリメントや点滴など、可能な範囲で選択していけばいいわけだ。この年齢になると、こういう相談ができるところがあること自体が心強いものだ。

診療ではデータから改善の方向性を探る

 診療は一般的には、まず血液検査を行い、オーソモレキュラー医学の視点で栄養状態を解析する。オーソモレキュラー医学とは、体に必要な栄養素を最適な量で補い、不調の原因を内側から整える医療アプローチのことだ。
 さらに遺伝子分析も行う。肥満遺伝子や葉酸代謝の遺伝子(動脈硬化や慢性炎症、認知症との関連が指摘される領域)など、結果に基づいて、生活改善や栄養介入が可能な遺伝子が対象だ。

画像: 遺伝子検査がリスクを知らせるだけの“重い十字架”にならないよう、改善できる領域だけを扱っている

遺伝子検査がリスクを知らせるだけの“重い十字架”にならないよう、改善できる領域だけを扱っている

 今回、睡眠不足で疲れ気味、肩こりがひどい、という私に先生がすすめてくれたのは、高濃度ビタミンC点滴よりもさらに豊富な栄養素が入ったマイヤーズカクテル点滴に、複数の抗酸化物質を組み合わせた“抗酸化スペシャル”点滴。
「ビタミンC、グルタチオン、ビタミンE、コエンザイムQ10、アルファリポ酸。この5つが抗酸化ネットワークを形成して、チームで悪玉活性酸素のヒドロキシラジカルを消しますが、このうち点滴静注できる成分を入れます。伊熊さんの今の状況のときは過剰な活性酸素があるからそれをしっかり消していくことが重要。ビタミンCだけでも非常にいいのですが、単体より圧倒的に有効です」
 それぞれ単体でも効果的な抗酸化成分をカクテルで贅沢に......期待が膨らむ。

点滴はブーストするもの、経口摂取は維持するもの

画像: 点滴は個室で行われる。約50分ほどのリラックスタイム.

点滴は個室で行われる。約50分ほどのリラックスタイム.

  こうして抗酸化スペシャル点滴を行うことに。私はビタミンCを毎日経口摂取しているけれど、点滴とどう違うのか、と聞いたところ、同じビタミンCでも、経口摂取では血中濃度に限界があるが、点滴なら一気に濃度を上げられるため“薬理作用”が発揮できるという。
 例えば、抗ウイルス・抗菌作用やアレルギーを抑える働きなどがそれに該当するそうだ。アトピーや花粉症などの症状が出ているときにも有効ということか、それはうれしい!

 一方、点滴は急激に血中濃度を上げられるものの、下がるのも早いので、日常の維持にはやはり経口摂取が必要で、点滴は時々ブーストするのが理想的、とのこと。
 私は直後はあまり感じなかったが、その夜から頭がクリアになるような感触はあった。翌朝はパッと目覚めて、もやもや感がなくなり、確かにすこぶる調子がいい。顔色も冴えている。これは確かに取り入れる価値があるなと実感した。

“健康は自分軸で決める”という気づき

画像: 点滴終了後にもさらに「リポ・カプセル ビタミン C」や「リポ・カプセル ビタミン C+D 」を経口摂取

点滴終了後にもさらに「リポ・カプセル ビタミン C」や「リポ・カプセル ビタミン C+D 」を経口摂取

 点滴を終えると、松村先生から
「最初にあなたは自分を健康だと思いますか、と聞いたのは、自分の健康観を立ち止まって見直してほしいからなんです」と声をかけられた。
 健康は医師が与えるものではなく、自分が主体となって育てていくもの。そして人に預けず、自分で見直し、選んでいくことが大切なのだと思った。

 その第一歩は睡眠・運動・食事といった当たり前の生活習慣を整えること。ちょっと不調があると、つい特別な治療を受けたくなってしまうのだが、基本ができていなければ効果があっても本末転倒だ。
 不調に気づいた今だから、体の声を無視せず、自分の感覚で受け止め、必要な支援を選びたい。鎌倉元氣クリニックは、その練習の場であり、“自立した健康”の始まりになるだろうと思った。

鎌倉元氣クリニック
住所:神奈川県鎌倉市小町2-12-30 BMビル3F
診療時間: 9:30~17:00 (完全予約制)
休診日: 土、日、祝日 ※金曜は隔週で休診
料金目安: 初診Drカウンセリング¥11,000〜 ※各種検査・点滴については要問い合わせ
公式サイトはこちら

画像: 伊熊奈美 美容エディター、ジャーナリスト。(公社)日本毛髪科学協会毛髪診断士認定指導講師。20年以上に渡り、女性誌を中心に美容分野の記事を編集、執筆、監修。美容関連企業のコンサルティングにも携わる。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号!いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた〜でもいきなりグレイヘアは無理』(グラフィック社)がある。 @namiikuma_hairista COURTESY OF NAMI IKUMA

伊熊奈美
美容エディター、ジャーナリスト。(公社)日本毛髪科学協会毛髪診断士認定指導講師。20年以上に渡り、女性誌を中心に美容分野の記事を編集、執筆、監修。美容関連企業のコンサルティングにも携わる。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号!いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた〜でもいきなりグレイヘアは無理』(グラフィック社)がある。 @namiikuma_hairista
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