J.クルーのクリエイティブ・ディレクター時代、誰にでもマネできるファッションスタイルを提案したジェナ・ライオンズ。彼女が新たに作ったのは、独自の美学を貫いた誰にもマネできない部屋だ

BY MAGGIE BULLOCK, PHOTOGRAPHS BY SIMON WATSON, TRANSLATED BY G. KAZUO PEÑA(RENDEZVOUS)

画像: 彼女の靴用のクローゼットには、ジョナサン・ザワダが手がけたマターのテーブルと、シューマッハのモヘアとビロードのカーテンが

彼女の靴用のクローゼットには、ジョナサン・ザワダが手がけたマターのテーブルと、シューマッハのモヘアとビロードのカーテンが

 その代わり、ライオンズは、最近新しくリノベーションした自身のアパートで日々を過ごすことにした。それは、マンハッタンのソーホーに19世紀に建てられた鋳鉄製のビルの4階にある、3,500平方フィートのロフトアパートだ。おそらくゼブラ革のラグをこれまでで最も人気のある一般大衆向けの必須アイテムにした、あのブルックリンの有名なタウンハウスを売ってから6年が経っていた。この間、ライオンズ個人の人生には、仕事に限らずさまざまなことが起こった。2011年には、アーティスト出身のレストラン経営者ヴィンセント・ マゾーと離婚。その後、コートニー・クランジ(兄であるフィリップとともに、ニューヨーク発のジェリー・ライン「ジャイルズ&ブラザー」を共同設立した)とも付き合ったが、その関係もすでに終わっている。

 2012年にソーホーのロフトを購入した後、ライオンズは同じ通りを下ったところにあるレンタルアパートで1年のあいだ過ごした。ロフトアパートは、黄ばんだ床や何の特徴もない壁の、さえないアーティストのアトリエであった。その空間をライオンズは、彼女の信者にとってはおなじみの装飾物をたくさん施し、豪華な雰囲気をかもしだす住まいへと変身させた。そうした改造プロセスのあらゆる側面を監修するために、レンタルアパートは最適だったのだ。ライオンズは多様なインテリア要素をミックスすることに注力し、結果、非常に満足のいく部屋が完成した。「本当のゴールは、誰も見たことのないようなものを作り上げることだったの」と彼女は言う。

 

画像: アルド・ツーラーの染色したヤギ皮のテーブルに乗っているのは、フィリップ・クランジが作った青銅のフクロウが施されたマラカイトの箱

アルド・ツーラーの染色したヤギ皮のテーブルに乗っているのは、フィリップ・クランジが作った青銅のフクロウが施されたマラカイトの箱

 エレベーターを降りてライオンズのアパートに足を踏み入れると、リビングルームが出迎えてくれる。そこは折衷的なモダニズム(モンステラの葉っぱやヒョウ柄の足乗せ台) に、古き良き時代のパリのエッセンス(アンティークの鏡やトワル柄のパネル)をちょっぴりブレンドしたような空間だ。フェミニンでありながら甘すぎず、活気はあるけれど不自然ではない。高さが8フィートもある西向きの窓が5つもあって、日当たりもすばらしくいい。

 部屋の至るところにライオンズらしい遊び心を見つけることができる。息子ベケットの誕生日会で使った、ゴールドのアルミ箔でできた巨大な数字の「10」。暖炉になにげなく立てかけられた、額縁つきのフレッド・サンドバックの幾何学の絵。そして部屋の目玉として飾られているのは、彼女の最も好きなアーティストであるサイ・トゥオンブリーのオリジナルのドローイング。これはパリのイヴォン・ランバートのギャラリーで開催された、1979年の展示会を告知したときのものだ。

 

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