BY EMI ARITA
ジョエ・コロンボの「スーパーコンフォート」

「スーパーコンフォート」¥880,000/メトロクス
COURTESY OF METROCS
回転式のトレイ、ボトルホルダー、キャスター付き.....と、抜群の機能性とスタイリッシュなデザインで、今なお絶大な人気を誇る収納ワゴン「ボビーワゴン」をデザインしたことでも知られるジョエ・コロンボ。1951年前衛美術集団モヴィメント・ヌークレアーレを結成し、彫刻家・アーティストとして活躍後、1962年にミラノに自身のデザインスタジオを開設。1971年、41歳という若さで逝去するまでの約10年の間に、照明、椅子など数々の名作を生み出し、イタリアデザインの黄金期を彗星のごとく駆け抜けていった伝説的存在だ。
そんなジョエ・コロンボが1964年デザインしたのこちらのアームチェア。2004年に成形合板の初期モデルが「スーパーレッジェーラ」として復刻され、その後生産終了するも、2022年に「スーパーコンフォート」として再登場。人間工学に基づき、座ると体重が分散される綿密な設計でゆったりとした快適な座り心地を実現。セクションごとに縫製されたクッションパッドはフレームに引っ掛ける構造になっており、着脱が可能。また、アームレストも本体から外すことができ、好みに合わせてスタイルを楽しめるのも魅力だ。上質なレザーと木のフレームにより、重厚感と軽やかさを融合したイタリアモダンデザインの傑作。

COURTESY OF METROCS
メトロクス
TEL.
公式サイトはこちら
ジャン・プルーヴェの「タブレ N° 307」

「タブレ N° 307」¥112,200/ヴィトラ
COURTESY OF VITRA
人間工学に基づき、中心部分に窪みを持たせた、滑らかな曲線を描く座面が特徴的な「タブレ N° 307」。20世紀のフランス工業デザインを牽引したジャン・プルーヴェが1951年にデザインしたもので、座面はもともとは型押ししたアルミニウムシートで作られていたが、2022年登場した復刻版では、座面がオークの無垢材となり、現代のライフスタイルにもマッチする新たな装いへとアップデート。オリジナル版と仕様は異なるものの、木材とスチールという異素材を組み合わせた作品を数多く手がけてきたジャン・プルーヴェらしさを感じるデザインに仕上がっている。
ジャン・プルーヴェは、1950年代初頭、さまざまなスツールをデザインしたことでも知られており、それぞれのスツールは固有名称ではなく、製品番号で呼ばれている。このタブレ(=スツール)307もそのひとつ。バリエーションは「ナチュラルオーク×ブランコロンブ」と「ダークオーク×ディープブラック」の2種類。

COURTESY OF VITRA
ヴィトラ
TEL.
公式サイトはこちら
ハンス J. ウェグナーの「CH45 ロッキングチェア」

「CH45 ロッキングチェア」¥302,500〜/カール・ハンセン&サン
COURTESY OF CARL HANSEN & SØN
無駄を削ぎ落とした快適性と機能性の本質を追求し、約500点の椅子をデザインしてきたデンマークを代表する建築家・デザイナーのハンス J. ウェグナー。そのあくなき探究心と長きにわたる試行錯誤から生まれたのが、こちらの「CH45 ロッキングチェア」だ。発表当時、美しすぎるロッキングチェアとして話題を呼ぶも、短期間しか販売されなかった伝説の名作が、2023年秋、待望の復刻を遂げた。
1965年にデザインされた「CH45 ロッキングチェア」は、シェーカースタイルを彷彿とさせる北欧らしいシンプルな軽やかさとエレガントさを融合させた佇まいが特徴。フレームにはFSC®認証を受けたオーク材を使用、座面は約213メートルのペーパーコードを手作業で編み上げるという非常に手間のかかる工程が取り入れられており、クラフトマンシップにこだわり続けたハンス J. ウェグナーのデザイン哲学が宿る。体を預けてゆらゆらとリクライニングできるだけでなく、すっとスムーズに立ち上がることができるのも、このロッキングチェアの魅力。さらなる快適さを求めるなら、別売りの座面とネック用のクッションを合わせるのもおすすめ。

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN
カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京/大阪
公式サイトはこちら
ヘリット・リートフェルトの「CRATE LOUNGE CHAIR」

「CRATE LOUNGE CHAIR」¥57,200/HAY
COURTESY OF HAY
「ジグザグ」や「レッドアンドブルー」と、平面と直進を組み合わせた斬新なデザインのアイコニックな椅子を生み出してきたオランダの建築家・デザイナーのヘリット・リートフェルト。1934年に余った輸送用木箱を活用するべくデザインした「CRATE COLLECTION」も、直線的なフォルムとシンプルな構造によるリートフェルトらしさが感じられるコレクションのひとつだ。
2023年Rietveld Originals社とHAYのコラボレーションによって復刻した「CRATE COLLECTION」では、無垢のパイン材を使用し、豊富なカラーバリエーションで登場。コレクションのひとつであるこちらの「CRATE LOUNGE CHAIR」は、均整のとれたプロポーションや明快な構造をオリジナルデザインより踏襲。緩やかに傾いた背もたれに、ゆったりと体を預けることができ、くつろぎのひとときを演出。さらに塗装は水性ラッカー仕上げになっており、屋外でも使用可能。普段はリビングに置いて、天気のいい日はテラスや庭に持ち出して......と多彩なライフスタイルに寄り添ってくれる。
COURTESY OF HAY
HAY JAPAN
公式サイトはこちら
ポール・ケアホルムの「PK15」

「PK15」¥448,800〜/フリッツ・ハンセン
COURTESY OF FRITZ HANSEN
家具マイスターの資格を持ち、美しいプロポーションを融合した数々の名作椅子を生み出してきたデンマークのデザイナー、ポール・ケアホルム。そんなケアホルムが生涯最後に手掛けた椅子「PK15」が、2023年秋、待望の復刻を果たした。
1979年にデザインされた「PK15」は、端正な美しさを放ち、どんな空間にも馴染む軽やかなデザインが特徴。そのシンプルな見た目とは裏腹に、無垢材を複雑に曲げる高度な木工技術が用いられており、“完璧”を追求し続けたケアホルムのこだわりが細部まで息づく、クラフトマンシップに溢れた一脚だ。座面は天然のフレンチケーン(籐)張りになっており、座ると程よく沈み込み、使うほどに体に馴染む快適な座り心地を叶えてくれる。カラーはラッカー仕上げのアッシュとブラックカラーの2種。オプションで、レザーのシートックションをつけることも可能。

COURTESY OF FRITZ HANSEN
フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
公式サイトはこちら
▼あわせて読みたいおすすめ記事