料理研究家の平野由希子さんが、厳選した日本ワインと季節の料理のペアリングを紹介する好評連載。今月はドメーヌ・デ・テンゲイジの「マスカット・ベーリーA 2016 アメリカンオーク樽熟成」と「カツオのバルサミコソース」

BY JUNKO ASAKA, PHOTOGRAPHS BY MANA MIKI

 目には青葉 山ほととぎす 初鰹。この季節になると自然と頭に浮かぶあの有名な句は、江戸時代の俳人、山口素堂によるもの。ここに詠まれた5月ならではの風物は、私たちの目や耳、そして舌を爽やかに楽しませてくれる。

 今回、平野さんが選んだ旬の食材は、その「カツオ」。合わせるワインは、山梨県北杜市明野町にあるワイナリー「ドメーヌ・デ・テンゲイジ」の「マスカット・ベーリーA」だ。「2016年のものがファーストリリースなので、これはまさにリリースしたて。私はお披露目の試飲会で飲んだのですが、マスカット・ベーリーAでこんなワインができるんだ! と驚愕しました。周りの方々もみなさんびっくりして、会場が騒然とするくらい(笑)」と、平野さんはその第一印象を語る。

<今月のワイン|ドメーヌ・デ・テンゲイジ
「マスカット・ベーリーA 2016 アメリカンオーク樽熟成」 >

画像: 豊かな自然に恵まれた山梨県北杜市明野町の「ドメーヌ・デ・テンゲイジ」。最小限の農薬や肥料を使用しながら自然がもつ力を最大限に生かす「サステイナブル農法」で、“ほんまもん”の上質なワインを目指す。日本固有種のマスカット・ベーリーAらしい個性を保ちつつ、甘すぎない香り、熟成感のあるなめらかなワイン マスカット・ベーリーA 2016 アメリカンオーク樽熟成 <750ml>¥4,500 tengeijis.com

豊かな自然に恵まれた山梨県北杜市明野町の「ドメーヌ・デ・テンゲイジ」。最小限の農薬や肥料を使用しながら自然がもつ力を最大限に生かす「サステイナブル農法」で、“ほんまもん”の上質なワインを目指す。日本固有種のマスカット・ベーリーAらしい個性を保ちつつ、甘すぎない香り、熟成感のあるなめらかなワイン
マスカット・ベーリーA 2016 アメリカンオーク樽熟成<750ml>¥4,500
tengeijis.com

「マスカット・ベーリーAはこの連載でも何度かご紹介している日本固有のワイン品種。独特のイチゴのような味や香りがあって魅力的なのですが、正直、世界で太刀打ちするのはなかなか難しいワインでもあります。ぶどうジュースのような香りは“Foxy Flavor”と呼ばれて食事には合わないとされがちで、ベーリーAらしさが評価のネックになることも多い。そんな中でもおいしいマスカット・ベーリーAのワインはたくさんありますが、これは『マスカット・ベーリーAとしておいしい』のではなく、純粋にワインとしておいしい!」

 平野さんいわく「マスカット・ベーリーAの概念を変えた」このワインを手がけたのは、ドメーヌ・デ・テンゲイジの醸造家である天花寺弓子さん、栽培責任者の下川真史さんのふたり。「天花寺さんはもともとワインのインポーターをしていた方で、山梨大学の大学院で醸造学を学び、満を持してワイナリーを立ち上げた、まさにワインのプロ。そういうふたりがつくったというのが、このワインの素晴らしさにつながっていると思います。どんなワインをつくりたいかというコンセプトも大事ですが、そのために樽に何を使うかとか、ブドウの個性を生かしつつ香りを出しすぎない醸造のテクニックといった、さまざまな研究があってこそ実現できたワインですね」

画像: ワインに合うレシピ118点を収めた新刊『ソムリエ料理家の ワインを飲む日のレシピ帖』(KADOKAWA)の出版を記念して、6月8日(土)19:00~20:30、「銀座 蔦屋書店」にて平野さんのトークイベントを開催。平野さんが「いまでや」で選んだワイン1杯つき。参加申し込みなど詳細は 専用サイト で確認を ※ 専用サイト内オンラインショップでの受付は6月7日(金)AM9:00受注分まで

ワインに合うレシピ118点を収めた新刊『ソムリエ料理家の ワインを飲む日のレシピ帖』(KADOKAWA)の出版を記念して、6月8日(土)19:00~20:30、「銀座 蔦屋書店」にて平野さんのトークイベントを開催。平野さんが「いまでや」で選んだワイン1杯つき。参加申し込みなど詳細は専用サイトで確認を
※ 専用サイト内オンラインショップでの受付は6月7日(金)AM9:00受注分まで

 山梨で、世界のどこに出しても恥ずかしくない“ほんまもん”のワインを──。大阪出身の二人が率いるドメーヌ・デ・テンゲイジはそんな目標を掲げ、明野町の耕作放棄地や、高齢化によって管理されなくなった畑を引き継ぎ、現在は2ヘクタールの自社畑でブドウを栽培。ワインをつくる過程でできるブドウ粕でブランデーをつくり、残りは家畜肥料や堆肥にして畑に還元するなど、土地に負担をかけない“環境に優しい”ワインづくりにも取り組んでいる。「何が素晴らしいって、やっぱりワインのおいしさが素晴らしいんですが(笑)、地元の農家さんとの関係や、そうした彼らの姿勢も素晴らしいなと感じます」と平野さん。

 ペアリングにかつおを選んだのも、このワインだからこそ。「アメリカンオークの樽の風味がマスカット・ベーリーAに強さを与えてくれて、素晴らしい仕上がり。いつもはマスカット・ベーリーAにはイチゴを使ったお料理や、あの独特な香りや味に合うものを考えますが、これだったらまた違ったペアリングができるかなと思い、合わせてみました」

画像: バルサミコ酢の甘みと酸味、ディルやルッコラの青くさいほろ苦さがほどよく脂の乗ったカツオにからまり、ワインのうまみを一段と引き立てる。「バルサミコ酢は酸味のある早熟タイプを選んで」

バルサミコ酢の甘みと酸味、ディルやルッコラの青くさいほろ苦さがほどよく脂の乗ったカツオにからまり、ワインのうまみを一段と引き立てる。「バルサミコ酢は酸味のある早熟タイプを選んで」

 ワインを口にすると、緻密でほどよい酸と熟成感があり、心地よい余韻が続く。カツオのなめらかな食感や香り、ハーブやバルサミコ酢の風味と溶け合ってえもいわれぬおいしさだ。

「このワインが日本でできたというのは本当に素晴らしいことだと思います。カツオと赤ワインのペアリングはもともと好きなんですが、マスカット・ベーリーAでそれができて、うれしいですね」。またひとつ、日本ワインの豊かな可能性を感じさせてくれるワインの登場だ。

<今月のレシピ|カツオのバルサミコソース>
材料(2~3人分)
カツオの刺身 ひとさく、しょうゆ大さじ3、バルサミコ酢大さじ2、赤玉ねぎ1/4個、ルッコラ・ディル各・オリーブオイル 各適宜

1. カツオは食べやすく切る。醤油とバルサミコ酢を混ぜ合わせる。赤玉ねぎは薄切りにする。
2. 皿にカツオを盛り、赤玉ねぎを散らす。バルサミコ酢としょうゆをまわしかけ、ルッコラ、ディルを乗せ、オリーブ油をまわしかける。

<T JAPAN web限定>
数量限定ワインが優先購入できます!

上記のワイン、ドメーヌ・デ・テンゲイジ「マスカット・ベーリーA 2016 アメリカンオーク樽熟成」を、T JAPAN webをご覧の方のために4本ご用意いたしました。
購入希望の方はこちらよりご応募ください。

・ご応募は、20歳以上の方に限ります。
・お一人様ご応募は1回、ご購入は1本までとさせていただきます。
・応募締め切り:2019年6月20日(木)正午
・ご応募が限定数を超えた場合は抽選とさせていただきます。
・ご紹介したワインの「購入権利」を提供いたします(商品は「いまでや」のオンラインストアにて決済完了後、店舗にて受け取りまたはオンラインストアより発送のいずれかを選択していただきます)。
・締め切り後、当選された方にT JAPAN編集部よりメールでご連絡いたします。
・ 購入権利の譲渡はご遠慮ください(当選者のお名前と決済完了者のご名義が異なる場合は、購入を無効とさせていただきます)。

平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理研究家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある。最新刊『ソムリエ料理家の ワインを飲む日のレシピ帖』(KADOKAWA)は、5分でできる簡単おつまみから本格的な煮物まで、ワインに合うレシピ118点を掲載

 

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