BY MARI KATSURA
世界のどこにもない非日常の美味。丸の内「ナイン バイ ラ シーム」
東京駅の目の前、2020年にオープンした宝石箱のようなレストラン「アッパー」。カジュアルに楽しめる10階のブラッスリーとは相反する、静寂をテーマにした非日常の世界「ナイン バイ ラ シーム」が、アッパー9階に2022年7月7日待望のグランドオープンし、たちまち話題に。福島出身の徳島亨シェフと、奄美大島出身でミシュランガイド二つ星を6年連続で獲得している大阪「ラ シーム」の高田裕介パートナーシェフの創る、香りをテーマにしたワクワク感でいっぱいのコース料理に心まで満たされる。ワインペアリングもいいが、ノンアルコールの魔法のようなカクテルペアリングも感動的。日本の素晴らしい食材や食文化を再発見する独創的な料理を、洗練された空間でゆっくりと五感で楽しむ。行ったことのない場所を旅するような、かけがえのない時間が待っている。

ナイン バイ ラ シームのスペシャリテ、福島の鯉を用いた「ブーダンドッグ」。甘い生地に包まれた苦味を楽しむ

ライチ、ローズ、キャビアのアミューズ。ノンアルコールカクテルのゆかりの香りと調和する

ルバーブの前菜。クルミ生地のタルトの食感がいい

パプリカのロメスコはレッドペッパーをアクセントにした「ドロメ パプリカ」。ナスタチウムのお花を乗せたトマトチップと

酒粕とレーズンの酵母のパンドカンパーニュも夢のような美味しさ。ソイバターを添えて

クリーミーな味わいのミディアムレアな牡蠣は、オリジナルの海苔のオイルを表面にコーティングしミキュイ仕立てに

ポークの炭火焼き、万願寺唐辛子。ポークとバナナと黒糖のキャラメリゼが合う

酒麹のムース、紫蘇の穂。淡雪のよう

ホワイトチョコレートのガナッシュとカシスのコンフィ。キャラメリゼしたピーナッツの詰まったフレッシュな無花果(イチジク)と、無花果のクレームブリュレ

食後の茶菓子。左上は、東京といえばの「東京ばな奈」にインスパイアされたという、この店のシグネチャー。とろけるなめらかな食感が魅惑的。シーズナブルテイスティングメニュー¥18,000(税込・サービス別)

シックなたたずまいの店内。テーブルに置かれた炭からは、料理の合間に楽しむ、このコースに合わせた香りがほのかに香る
ナイン バイ ラ シーム
住所:東京都千代田区丸の内1-3-4 丸の内テラス 9F
営業時間:18:00~23:00 (最終入店 20:00)
定休日:月・火曜
TEL.03(6206)3939
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桂まり
雑誌「SPUR」「eclat」などで、フード&トラベル、インタビュー記事を担当するライター。趣味は世界各国で料理教室に行くこと。温泉保養士。Instagramはこちら