TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
寒さが厳しくなる1月。隣接する大阪から京都に来た人から「京都、寒すぎませんか?」と、言われることも多く、足元からじんじんと寒さを感じる京都の底冷えは堪える。そこで、今月は冷えたカラダに染み渡るあたたかい料理を紹介。第2弾は「Brasserie Café ONZE(ブラッスリー カフェ オンズ)」のオニオングラタンスープをご案内します。
四条木屋町「ブラッスリー カフェ オンズ」
今回紹介する「ブラッスリー カフェ オンズ」のオニオングラタンは、毎冬、何度も食べにいく大好物だ。店で仕込む際は、毎回、10キロのタマネギを寸胴鍋でじっくり弱火で炒め、タマネギのかさが減ってきたら、小さい鍋に移し替え、また炒め・・・を繰り返し、最終的には10分の1のボリュームになるとか。さらに飴色タマネギを鶏だし、バター、ミネラルたっぷりのゲランドの塩でことこと煮ること1時間。注文後に、スライスしたバゲットでフタをして、グリエールチーズをたっぷりかけ、オーブンでこんがり焦げ目がつくまで焼かれる。
食欲をそそるように、わざとスープを器から吹きこぼれさせたり、焦げをつけたり、テーブルに運ばれてくると、「わぁ」と感嘆の声をあげてしまうビジュアルだ。スプーンですくうと、チーズがぐーんっとのび、タマネギは甘く、スープも深みがあり、これぞオニオングラタンスープのお手本というべき一品。こちらのオニオングラタンスープは、さくっと気軽に食べに行けるところもお気に入りの理由だ。
2007年の年のオープン当初から、ワイン一杯から食事まで、自由度高く楽しめる本場のブラッスリーのスタイルを貫いていて、今でこそ京都にも昼飲みできる店が多くなったが、先駆的存在と言える。
オーナーシェフの山崎智彦さんは、京都でレストラン「ラ・パール・デュー」やビストロ「ブション」を展開しているベルクールグループで古典フレンチをみっちり学び、自身の店も、カジュアルに見えて、実はメニューには、骨太な仏郷土料理が勢揃い。京都在住のフランス人からの支持率も高いという。
夕方前に、軽く一杯のつもりで訪れ、ビールを飲み終えた後、パテをアテにワインのおかわりが進み、飲んでいるうちにおなかが空いてきて、スティックフリット(牛肉のステーキ)や冬だったらインゲン豆と肉を煮込んだカスレまでしっかり食べてしまい、気づけば夜!なんてことも。
午後3時から営業で、食事や酒場、さらにはスイーツもあり、カフェ使いまででき、いつどんな時も懐深く迎えてもらえ、旅行者も知っておくと便利な一軒だ。
「Brasserie Café ONZE(ブラッスリー カフェ オンズ)」
住所:京都市下京区木屋町四条下ル斎藤町125
営業時間:15:00~24:00
定休日:無休(年末年始除く)
TEL. 075-351-0733