暮らしを無理なく調えるスープを提案する連載の第6回目は、老若男女に喜ばれる「トマトの味噌スープ」。冷蔵庫にあるもので、疲れて帰ってきても、身体に優しい充実の一食が手早く実現。たっぷり作って、翌朝いただくのもまたいい

RECEPI BY TOMOKO NAGAO, PHOTOGRAPHS BY TAKAKO HIROSE, TEXT BY MIKA KITAMURA

画像1: 長尾智子の日々のスープ
ー楽しく生きぬくためにー
Vol.6 トマトの味噌スープ

トマトは湯むきし、つるんとした口当たりに

 身体が重だるくなったり、食欲が落ちたりする梅雨の時期。すっきり味の温かいスープで元気をチャージしてほしい。今回は和の食材を重ねて、旨みマシマシのトマトの味噌スープをご紹介。旨みはまず昆布水で。水に約20分浸けておくだけなので、帰宅後でも着替えたり、料理の下ごしらえをしている間で充分。

 旨み成分たっぷりのトマトと味噌、昆布、かつお節、干し椎茸の「旨み五重奏」。すっきりときれいな味に仕立てるには、だしに味噌を溶き入れてから、網で濾すのがポイントだ。

「トマトは湯むきすると、優しい口当たりになるので、小さいお子さんやお年寄りにもいいですね。お湯に投入したら、すぐに引き揚げて。そのほうがするっときれいに皮がむけます」と長尾さん。ちょっとしたひと手間でぐんとおいしくなるので、トマトの皮の湯むきはぜひ。ただ、朝の慌ただしい時間には大変なので、朝食べるなら、前日にたっぷり作って用意しておこう。「翌朝、弱火で静かに温めて召し上がってくださいね」

 トマトを湯むきした後の皮は、だしに加えて利用する。レシピでは紹介していないが、だしをとった後のトマトの皮とかつお節は、低温のオーブンで乾かすように焼いてパリパリに。状態にもよるが、140℃のオーブンで30分が目安。「途中、焦げるようなら取り出して冷ましつつ、パリパリになるまで焼いてください。これに、ごまや焼き海苔を加えてふりかけに。ご飯が進みます」

<材料4人分>

小さめのフルーツトマト 8個/ヘタを取る
ミニトマト 8個/ヘタを取る
味噌 約大さじ2
昆布水 昆布約8cm角1枚+水1ℓ/20分おく
干し椎茸 第1枚/ひたひたのぬるま湯で戻す
鰹節 軽くひとつかみ
大葉 3〜4枚/縦半分に切り、細切りにする
スナップエンドウ 1袋/筋を取る
塩、こしょう 各少々 
ごま油 約小さじ2

画像: 鍋に昆布水を作っておく。トマトの湯むきをする。鍋にたっぷりのお湯を沸かし、トマトを入れ、3〜4秒で引き揚げ、皮をむく。皮は取り置く。

鍋に昆布水を作っておく。トマトの湯むきをする。鍋にたっぷりのお湯を沸かし、トマトを入れ、3〜4秒で引き揚げ、皮をむく。皮は取り置く。

画像: 昆布水の鍋に、戻し汁ごと干し椎茸を加え、弱火にかける。煮立ってきたら鰹節を加え、味噌を溶かし入れる。トマトの皮も加え、弱火で2分ほど煮て火を止める。

昆布水の鍋に、戻し汁ごと干し椎茸を加え、弱火にかける。煮立ってきたら鰹節を加え、味噌を溶かし入れる。トマトの皮も加え、弱火で2分ほど煮て火を止める。

画像: だしを細かい目のざるで濾す。干し椎茸を取り出して軸を除き、薄切りにする。

だしを細かい目のざるで濾す。干し椎茸を取り出して軸を除き、薄切りにする。

画像: だしに湯むきしたトマトと干し椎茸を加える。

だしに湯むきしたトマトと干し椎茸を加える。

画像: 煮立たせないように弱火で温め、器に盛り、大葉を散らす。

煮立たせないように弱火で温め、器に盛り、大葉を散らす。

野菜をもう一品加えるなら、みずみずしいエンドウを

 今回、このスープに合わせるのは、緑色がみずみずしいスナップエンドウ。さっとゆでて、熱いうちにごま油を回しかけ、塩と黒こしょうを振るだけ。スナップエンドウの甘みとほのかな青くささが引き立つ。

「スナップエンドウはスープに加えてもいいのですが、トマト、エンドウそれぞれの味わいを存分に楽しんでほしいので、別々に。これに焼いただけの肉や魚を添えれば、充実の献立になります」

画像: 鍋にお湯を沸かし、塩ひとつまみを加える。スナップエンドウを入れ、火が全体に通り、しんなりするまでゆで、ざるにあげる。水気をよく切って、ボウルに移し、ごま油をまわしかけてよく混ぜ、塩を振り、ざっと混ぜる。器に盛ってこしょうを挽きかける。

鍋にお湯を沸かし、塩ひとつまみを加える。スナップエンドウを入れ、火が全体に通り、しんなりするまでゆで、ざるにあげる。水気をよく切って、ボウルに移し、ごま油をまわしかけてよく混ぜ、塩を振り、ざっと混ぜる。器に盛ってこしょうを挽きかける。

画像: 長尾智子 フードコーディネーター。書籍や雑誌の執筆、食品や器の企画やディレクションほか、食にまつわる提案を手がける。『料理の時間』(朝日新聞出版)、『ティーとアペロ お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ』(柴田書店)ほか、著書多数。自らの目で選ぶオンラインストアSOUP(https://soup-s.shop/)も好評。 公式サイトはこちら 公式インスタグラムはこちら

長尾智子
フードコーディネーター。書籍や雑誌の執筆、食品や器の企画やディレクションほか、食にまつわる提案を手がける。『料理の時間』(朝日新聞出版)、『ティーとアペロ お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ』(柴田書店)ほか、著書多数。自らの目で選ぶオンラインストアSOUP(https://soup-s.shop/)も好評。
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