おもちゃの粘土で再解釈された
10枚の歴史的写真

10 Classic Photographs —Reinterpreted Entirely in Play-Doh
リアルな写真の風景を、カラフルな粘土で作り変えてみせるエレノア・マクネア。写真家集団マグナム・フォト70周年を記念した新作について、自ら語った

BY HATTIE CRISELL, TRANSLATED BY G. KAZUO PEÑA(RENDEZVOUS)

画像: (写真左)ジム・ゴールドバーグの『プライズド・ポセッション(宝物) #2』(コンゴ民主共和国、アフリカ / 2008年) © JIM GOLDBERG/MAGNUM PHOTOS (写真右)エレノア・マクネアによる作品 © ELEANOR MACNAIR

(写真左)ジム・ゴールドバーグの『プライズド・ポセッション(宝物) #2』(コンゴ民主共和国、アフリカ / 2008年)
© JIM GOLDBERG/MAGNUM PHOTOS
 

(写真右)エレノア・マクネアによる作品
© ELEANOR MACNAIR
 

「自分の宝物であるラジオを大切に抱えている少年の姿に、普遍的なものを感じたの。私も子どもの頃、ミント・グリーンのカセットプレイヤーを持っていて、それをすごくかっこいいと思ってたし。でも、この写真には別の明確な物語があると思う。私物をひとつしか持ち出すことができず、ラジオだけを持って難民キャンプに逃げてきた少年が、丘の上でラジオを聞きながら”何かいい知らせ”を待っている――。ジム・ゴールドバーグが撮影したこの写真は本当に悲しいけれど、私はここに何らかの希望がある気がして、そんなところが好きなの。この少年の、まだあきらめていない姿が」

画像: (写真左)クリス・スティール=パーキンスの作品集『ザ・テッズ』から『サウスエンド・イングランド』(1977年) © CHRIS STEELE-PERKINS/MAGNUM PHOTOS (写真右)エレノア・マクネアによる作品 © ELEANOR MACNAIR

(写真左)クリス・スティール=パーキンスの作品集『ザ・テッズ』から『サウスエンド・イングランド』(1977年)
© CHRIS STEELE-PERKINS/MAGNUM PHOTOS
 

(写真右)エレノア・マクネアによる作品
© ELEANOR MACNAIR
 

「壁の前に立っているというシチュエーションや態度を含めて、この写真の妙にカッコつけている感じが好き。これを再現したとき、コートの長い袖を切り取ってきれいに丸めようとしたんだけど切れ目が残ってしまったし、肌色のプレイ・ドーは何回も再利用しているからちょっとした繊維やゴミが入ってしまってる。こんな欠点も、ある意味、魅力だと思うの。もしこれが100%完璧でクリーンな見た目だったら、わざわざ粘土を使う意義はないでしょ?」

画像: アレック・ソスの作品集『ナイアガラ』から『トリシアとカーティス』(カナダ / 2005年) © ALEC SOTH/MAGNUM PHOTOS

アレック・ソスの作品集『ナイアガラ』から『トリシアとカーティス』(カナダ / 2005年)
© ALEC SOTH/MAGNUM PHOTOS
 

画像5: エレノア・マクネアによる作品 © ELEANOR MACNAIR

エレノア・マクネアによる作品
© ELEANOR MACNAIR
 

「アレック・ソスの写真の中でも、あまり知られていないものを作品化してみたかった。被写体を見下ろす構図が気に入ってこれを選んだわ。この写真には、ある種の闇がある。というのも、プレイ・ドーではあえて表現しなかったけど、オリジナルの被写体には自傷行為の跡が見えるの。彼らは明らかに幸せで、お互いを愛し合っているようだけど、厭世的な感じもする。そんな彼らの目線がカメラに合うように撮影するのにも苦労したわ」

画像: ポール・フスコの『ロバート・F・ケネディ フューネラル・トレイン』(1968年) © PAUL FUSCO/MAGNUM PHOTOS

ポール・フスコの『ロバート・F・ケネディ フューネラル・トレイン』(1968年)
© PAUL FUSCO/MAGNUM PHOTOS
 

画像6: エレノア・マクネアによる作品 © ELEANOR MACNAIR

エレノア・マクネアによる作品
© ELEANOR MACNAIR
 

「これも好きなシリーズ。ロバート・F・ケネディが暗殺されたとき、その遺体がニューヨークからワシントンへと電車で輸送されると聞いて、おおぜいの人が線路のそばで車両を待っていたの。写真に写っているのは、その列車に向かって敬礼する3人。おそらくその動作は10秒ほどだったと思うけど、写真になったことで、その一瞬が永遠の時間に昇華した。写真の被写体がすごく小かかったから、作るのは本当にたいへんだったわ。写真のような動きを表現したかったから、光に角度をつけて撮影したの」

 

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