東京・原美術館でダンサー小尻健太のソロパフォーマンスが行われる。世界が注目する小尻が、身体ひとつで紡ぐものとは

BY MASANOBU MATSUMOTO

画像: PHOTOGRAPH BY MOMOKO JAPAN

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 今、ダンスはもちろんアートシーンでも注目を集めるダンサー・振り付け家がいる。小尻健太だ。

 彼は、1999年、ローザンヌ国際バレエコンクールにてプロ・スカラーシップを受賞。モンテカルロバレエ団を経て、世界的振り付け家イリ・キリアンに師事し、キリアン率いる「ネザーランド・ダンス・シアター1」(メインカンパニー)に日本人男性として初めて名を連ねた。現在は、コンテンポラリーダンスプロジェクトOptoを主宰。Noismをはじめ国内外の公演に参加するほか、みずからの創作やワークショップにも力を入れている。

画像1: COURTESY OF KENTA KOJIRI FROM OPTO vimeo.com

COURTESY OF KENTA KOJIRI FROM OPTO

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 その小尻が、8月19日、20日の2日間、東京・原美術館で単独パフォーマンスを行う。テーマは「セルフポートレイト(習作)」。自画像の意味だ。絵画や写真ではなく、ダンスでどう自画像を表現するか。

 今回のテーマの奥にあるコンセプトは「経験とともに変化してきた身体を見つめて、その記憶に向き合うこと」だという。改めて考えると、身体は、自分が思っている以上に、自身のことを知っている。頭では気づいていないクセもあるし、声よりも早く身体が反応した、なんてこともよくある。凡人であるわれわれでもそうなのだから、クラシックバレエから現代ダンスまで、さまざまなパフォーマンスの「型」を経験してきた小尻の身体であれば、なおさらだ。いっそう複雑で豊かな記憶を身体の中に蓄積し、それを身体ひとつで雄弁に語れるに違いない。

 これはバレエやダンス、身体表現を知っている人だけのための演目ではない。デジタルツールへの依存が加速し、コミュニケーション方法が多様化している時代、なおざりにされがちな身体との向き合い方について、すべての人に重要な気づきを与えてくれるはずだ。

小尻健太 ダンスソロパフォーマンス 『Study for Self / portrait』
会場:原美術館 ザ・ホール
住所:東京都品川区北品川4-7-25
電話:03(3445)0651
日時:2017年8月19日(土)、20日(日) 17:30開演(上演時間 約40分)
参加費:¥3,000(入館料込)
    原美術館メンバーおよび同伴者1名まで ¥2,800

※講演は終了しております

※ 小尻健太さんの「尻」の本来の表記は、「尸に丸」になります。

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