BY MASANOBU MATSUMOTO
『OKETA COLLECTION「Mariage –骨董から現代アート–」展』|WHAT MUSEUM
「OKETA COLLECTION」は、アートコレクターとして知られる桶田俊二・聖子夫妻のプライベートコレクション。ふたりは2000年代に骨董品の蒐集を始め、草間彌生の作品に出会ったことで現代アートにも関心をもったという。約20年にわたって形成されてきたそのコレクションは、スパイラルガーデンでの企画展、金沢21世紀美術館での『The World:From The OKETA COLLECTION 世界は今:アートとつながる』展で一般公開され、話題を集めてきた。
本展は、「OKETA COLLECTION」から選りすぐりの約40作品を「身体」「モノクローム」「カラー」の3テーマを軸に紹介するもの。北大路魯山人の《椿鉢》や桶谷寧の《曜変天目茶碗》、名和晃平の代表作のひとつである《PixCell-Deer#48》、またKAWS(カウズ )やTIDE(タイド)といった旬な作家のものまで、時代、地域を超えた多種多様な作品が一堂に会する。みどころのひとつは“新作”。近年注目を集めるVERDY(ヴェルディ)やTIDEの新作、完成したばかりだというクレイグ・クチアの作品は、本展が一般初公開の場となる。桶田夫妻のコレクション愛が感じられる、作品解説やエピソードを収録した音声ガイドも必聴だ。
『ボテロ展 ふくよかな魔法』|Bunkamura ザ・ミュージアム
ぽってりと、まんまるにーー。齡90歳、コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロの作品は、あらゆるモチーフが一貫してふくよかに描かれている。人物や動物はもちろん、果物は熟れきっているかのようにパンパンに。楽器や花、日用品さえも風船のように柔らかく膨張してみえる。それは、官能性の象徴として豊満な女性を好んで描いてきた過去の巨匠たちへの返答か? 具象画にこだわり続けるボテロの抽象表現主義への反発か? 貧しかったという幼少期の反動か? ーー実際のところ、ボテロ自身は「なぜふくよかに描くのか」への答えを明確に示していないが、そのユニークなフォルムと陽気な色彩に満ちた作品が、見るの者に多幸感を与えてくれることは間違いない。
そんなボテロの個展がBunkamura ザ・ミュージアムで始まる。日本国内では26年ぶりの本格的な個展であり、展示作品のほとんどが日本初来日。みどころのひとつである2020年制作の《モナ・リザの横顔》は本展で世界初公開。また本展の開催とあわせて、ボテロのドキュメンタリー映画『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』もBunkamura ル・シネマ等で上映に。芸術家としてのターニングポイントや隠された悲しい過去などを、ボテロ本人、そしてその波乱万丈の人生をともにしてきた家族が語っており、ボテロ作品の魅力を存分に知ることができる作品だ。
『ボテロ展 ふくよかな魔法』
会期:4月29日(金・祝)〜7月3日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B1F
時間:10:00〜18:00(金・土曜は21:00まで)
※入館は各閉館時間の30分前まで
休館日:5月17日(火)
料金:一般 ¥1,800、大学・高校生 ¥1,100、中・小学生 ¥800
※会期中すべての土・日・祝日は オンライン(ART PASS)による入館日時予約が必要
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
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『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』
4月29日(金・祝)よりBunkamura ル・シネマほか、全国順次ロードショー
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