古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回は春の訪れを知らせる立春におすすめの花束を、東京・銀座の「野の花 司」に束ねてもらった

TEXT & PHOTOGRAPHS BY YURI TAKAHASHI

立春 2月4日〜2月18日

 旧暦では1年の始まりである立春。「春告鳥」とも呼ばれるうぐいすの初音が聞こえてきたり、東から吹く風、「東風(こち)」は梅を咲かすといわれ、春の訪れのサイン。昔は寒さの中に顔を出す春の気配に敏感だったことが感じられる。別名「風待草」「春告草」とも呼ばれる梅は、まさしく立春を象徴する花。一輪一輪咲く梅の花の香りで、寒さで縮こまった体や心をゆっくり解いていきたい。

画像: 自宅で梅のほころびを楽しめるブーケ ¥5,500

自宅で梅のほころびを楽しめるブーケ ¥5,500

 明日にも咲きそうな白梅を中心に、黄房水仙、沈丁花と、春を知らせる香り高い花々で束ねられたブーケを解くと、たちまち芳香が広がる。艶のある緑が、生き生きとした生命力を感じさせ、春への期待感も高まるブーケだ。

画像: ふわふわの猫柳や、くるくるっと巻いたつるが愛らしい豆の花に、思わず笑顔が溢れる

ふわふわの猫柳や、くるくるっと巻いたつるが愛らしい豆の花に、思わず笑顔が溢れる

 全国各地の野の花、山の花を取りそろえる「野の花 司」では、まさに暦・季節を感じられるブーケを束ねてくれる。凛とした雰囲気ながらも素朴な趣があり、ブーケごと花瓶に生ければ空間が華やかに、一本ずつ飾れば奥ゆかしくも可憐な雰囲気に、とさまざまな表情を楽しむことができる。

画像: 店先の寄せ植えや鉢は、どれも背筋を伸ばしたような、凛とした佇まいだ

店先の寄せ植えや鉢は、どれも背筋を伸ばしたような、凛とした佇まいだ

 銀座の中央通りから一本裏手にある、古民家風の店構えの「野の花 司」。賑やかな都会で売られている小さな盆栽や鉢植えに思わず足を止めてしまったことはないだろうか。老若男女、その鉢のラインナップに見入ってしまう人、そしてふらりとお店に立ち寄ってしまう人も多い。銀座の街に根ざして20年以上。近隣の和食店やレストランからも信頼され、銀ブラ客の心を和ませてきた。全国から産地直送で届けられる、瑞々しい日本の野草の魅力を伝え続けてきた「野の花 司」で、日本古来の草花の息吹が感じられる季節の花を選びたい。

画像: 茶花を買い求めにやってくる人も多い。春は椿が出迎えてくれる

茶花を買い求めにやってくる人も多い。春は椿が出迎えてくれる

野の花 司
ののはな つかさ
住所:東京都中央区銀座3-7-21
電話番号:03-3535-6929
営業時間:平日 10:00~19:00 日・祝日 11:00~18:00
定休日:無休
公式インスタグラムはこちら

参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA
『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社
山下景子『二十四節気と七十二候の季節手帖』 成美堂出版

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